約 1,006,897 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2212.html
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは人生最大の試練に立ち向かっていた。 何せこの使い魔召喚を失敗したら進級出来ず退学もありうる。 まさに背水の陣、ルイズにとっては生きるか死ぬかの瀬戸際と言っても良い。 ルイズは全身全霊を込めて呪文を唱える。 「宇宙の果てのどこかにいるわたしのシモベよッ! 神聖で美しくッ、そして強力な使い魔よッ! わたしは心より 求め、訴えるわ……我が導きに答えなさいッ!!」 呪文の成立とともに目の前が爆発し、煙が辺りを覆う。 すわ失敗かと落胆するルイズだが、その煙が晴れてくると、そこに何かが要る事に気づき喜色満面となるも、煙が 晴れていくにつれ当惑の表情へと変化していく。 召喚された物体は、彼女が思い描いていた使い魔とはあまりにもかけ離れていたからだ。 するとそこにいた物体、手足の生えたりんごは、その渋い顔にマッチした渋い声で言った。 「俺が神聖で美しく強力な使い魔だ」 召喚主であるルイズはおろか、周りで事態を見守っていたクラスメイト、さらには教師であり今まで数々の召喚儀 式を監督してきたコルベール出さえ、あまりの発言に言葉を失い戸惑う。 と、その使い魔は絶妙の間をおいて言い放った。 「ウソだけど」 ルイズは素早く足を上げると、思いっきり踏みおろした。 果肉と果汁が飛び散り、見るも無残な轢殺死体が出来上がる。 内心の怒りの為かさらに何度か踏みにじり、完全に粉砕すると何事も無かったように再び呪文を唱え始めた。 「宇宙の果てのどこかにいるわたしのシモベよッ! 神聖で美しくッ、そして強力な使い魔よッ! わたしは心より 求め、訴えるわ……我が導きに答えなさいッ!!」 見た事も無い服装をした平民の使い魔が召喚されたのは、その後しばらくたってからであった。 完 -「極楽りんご」より
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1814.html
サブ・ゼロルイズ「ギアッチョ、キュルケ、タバサ、ギーシュ、それにシエスタ。もう私は一人じゃない…」 風虚無ルイズ「幸せそうね…私の使い魔は強いし頼りになるけどちょっと怖いのよね…」 来訪者ルイズ「私の使い魔は強いし、頼りになるし、その上優しいわよ?…一人じゃないって良いわよね。でも最近二人で居るとキュルケが変な目で見てるような…」 隠者ルイズ「大切な人がそばに居てくれる…」 ヘビールイズ「喜びを分かち合い、悲しみは二人で…皆で立ち向かう…」 いぬっ!ルイズ「人じゃなくても…あいつは私にとってかけがえの無い存在…」 見えないルイズ「いつも護ってもらってばかり…護られるだけじゃなくて、私もあいつを護りたい…」 スネイクルイズ「…あいつともきちんと分かり合えたら他の私みたいにあんなに幸せそうになれるかしら…?」 仮面ルイズ「私には使い魔が居なくても、ワルドさまがいる…この運命を乗り越えてみせる、きっと…」 兄貴ルイズ「良いわよね、皆は…あのバカ犬もうちょっと『あいつ』みたいに…とまでは望まないけど、もうちょっと節操があったら…」 決闘ルイズ「才人がね、才人がね!!!私の事『俺にはお前だけだよ』だって…『子供作ろう』だって…才人ぉ…今直ぐ遭いたいよぅ…」 皆「「「「「「「「「「(ここまで行くと逆に引くわね…)…ま、まあやっぱり良いわよね、」 静かルイズ「やっぱり良いわよねっ!信頼しあえる使い魔が居るのって!!」 皆「「「「「「「「「「(信頼…しあえる…?)」」」」」」」」」」
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/57.html
ルイズに届けこの想い! 才人ザオリクを唱える。の巻 ◆xmy4xBA4UI 地獄ぐらい、嫌と言うほど見てきた。 殺し合えと言われずとも、殺し合いに放り込まれたこともあった。 というより、殺し合いだと知って、自ら進んで京都に入ったのだ。 20歳になる前のことだった。世が世なら、まだ子供と言われる年齢である。 一応、田舎士族とは言え元服を済ませた身、上京ぐらい勝手にしろということだったのだろう。 毎朝どこかで誰かが狙われていた。毎晩どこかで誰かが死んでいた。 警邏のために組織されたはずの隊は、瞬く間に『人斬り集団』と化し、斎藤は修羅渦巻く京都の中、先陣を切って刀を振るった。 京都の治安を乱す尊王攘夷論者たち、体内の規律を乱す謀反者たち。全てが粛清の対象だった。 昨日、蕎麦屋で隣に座っていた男が今日は斬り合いの相手。 昨日、ともに笑い合った仲間が今日は粛清の対象。 そんな地獄の中、新撰組副長助勤、最年少の剣士として斎藤は誰よりも人を多く斬っていった。 だから彼にとって、こんな作り物の殺し合いなど微温湯のようなものだった。 「ふんっ」 念のため、支給された手甲を装備する。 煙草を吹かそうと考えて、ポケットから取り出してみるも、火がなかった。 ちっと、舌打ちし、吸えもしない煙草ならいらんな、と放り投げた。 「ま、人斬りは俺の仕事だからな。言われんでも、殺してやるさ……ただし」 放り投げた煙草を踏みつけ、すり潰す。 「殺すのは小僧、ぶいつぅとか言ったな。お前だ」 静かに決意する悪・即・斬。 武器が手甲では、斬り合いが出来んなと、狼は自嘲ぎみに笑うのだった。 「で、小娘? お前はどうするつもりだ」 斎藤は振り向きもせず、背後にいる女の気配を感じ取る。 そこには確かに一人の娘。斎藤から見れば、親子ほども離れた女の子がいた。 「ん、私はね、ぶいつう君を殺さないよ」 「ほう?」 「だってさ、リセットしてもらえないじゃん」 「……」 「リセットしてもらえなかったら、ゆーちゃん生き返らないじゃん」 リセット? 「ゆーちゃんはね、とーってもちっちゃいんだよ。でも、とっても可愛いんだよ!! 萌え要素満載なんだよ!!!」 訳が分からん。 「だからオジちゃん……」 だがしかし、少女の意味不明さには懐かしさも覚える。 彼女の匂いは、かつて幕末で味わったことがある。 「オジちゃんはモンスターなんだよ、んで、私は勇者!」 「阿呆が」 「モンスターはね、勇者に殺されるんだ!!」 叫び声とともに、突進する少女。それは風。 何事かと思う頃には、蒼い風は斎藤の眼前に迫りくる。反射的に西洋刀を受け止め、逆の手で殴り飛ばした。 手甲を嵌めてなければ、腕を斬られていたかも知れない。斎藤をして、そう思わしめるほどのスピード。 殴られた少女は、思いのほか軽く、一気に電柱まで弾き飛ばされたが、ヒラリと身を翻して電柱に『着地』。そのまま地面に舞い降りた。 (コイツ……) 童子のようにしか見えない顔だが、その身体能力は予想以上。むろん、童女にしては、だが。 「どうして……」 「?」 「どうして斬られないんだ!! アンタ雑魚キャラじゃないの!!!」 「ふぅ……雑魚とは言ってくれるな」 「わ、分かった。中ボスだ、ゆーちゃんを殺した奴の仲間だ!!!」 意味が分からない。正悪すらも決めかねるほどの支離滅裂ぶり。 事情を問いただしてからでないと、警官が子供を攻撃することは出来ないと考えているが、その説明など望むべくもなさそうだ。 「今度は本気出していくからね」 「ふざけろ」 青い髪の少女が駆ける。一瞬で眼前に迫り来る勢い、はやての如し。 速い。抜刀斎よりも遥かに小さい体ながら、そのスピードは幼年の頃の彼を思わせる実力。 もっとも、斎藤は幼年の抜刀斎など露ほども知らないので、単なる想像だが。 怒涛の攻撃とはまさにこのこと。 武器の差があるとはいえ、少女は斎藤相手に少しも遅れをとっていない。 両の手から放たれる斎藤の攻撃を、ある時は防ぎある時はかわす。そして、それ以上の攻撃を繰り出してくる。 防御のイロハを知らぬ鳥頭なら、とうの昔に切り刻まれている。 素早いその動きはまさに戦場の基本。 速く力強いが、技術は欠片も備わっていない。 戦場では上手くて遅い剣術よりも、下手でも拙くても、速さだけが求められる。 町道場で身に着けた段位や技術など微塵も役立たない。 少女の両腕は肘が伸びきり、柄尻の締めは甘い。履く袴は短く、その足運びを隠さない。 これでは達人の斎藤に動きを読んでくださいと言ってる様なものだ。 けれども速い。純粋にそれだけ。だからこそ誰よりも剣術から離れ、だからこそ誰よりも戦場に近い女。 子供の振るうチャンバラが、大人を倒すことがあるとすれば、まさにこの動きを突き詰めていった時だろう。 (だが、相手が悪かったな) 跳ね回る少女の髪を掴み取り、一瞬のうちに持ち上げる。 髪を毟られそうな痛みに動きを止めた少女を、斎藤は地面にたたきつける。 そして、地面からバウンドした瞬間を狙おうとしたとき……彼は信じられないものを見た。 地面までの距離、わずか1メートルほど。 そんなほんの少しの隙間で少女は、回転し華麗に着地を決めたのである。 これには流石の斎藤も呆気にとられるばかり。そして、その隙を彼女は見逃さなかった。 持ち前の素早さと、体の小ささを武器に地面すれすれの足払いを仕掛ける。 瞬間、バランスを崩しながらも斎藤は宙に逃げる。しかし、それだけでは少女から逃げられない。 「うぉぉおおおおおおおおお!」 西洋刀を両手だけでなく、体ごと大きく振りきった一撃。 何とか手甲で防ぐも、初回とは逆に斎藤が大きく吹き飛ばされた。 硬く冷たいアスファルトの上に転がり、斎藤は人生最大の屈辱を味わう。 相手は12、3歳程度の子供。しかも女。 これを新撰組の隊規に照らせばどうなるか? 打ち首に決まっている。童女に及ばぬ志士など、志士にあらず。 許さん。絶対に許さん。 (もう、殺す!!) ゆらり立ち上がる。 元新撰組三番隊組長・斎藤一、童女に舐められて引き下がるほど朽ちていない。 もう、相手が子供だとか女だとか、言ってられん。やられっぱなしで引き下がっては、自分の名誉に傷がつく。 斎藤が構えた時、あたりの空気が変わった。 ~・~・~・~・~ 泉こなたは、戦いの最初からおかしいと感じていた。 (むうぅう……わ、私……どうなっちゃったんだろう?) 無骨な鉄塊で、両腕を守る男は、その鉄塊をもって攻撃してくる。 メリケンサック? いや、そんな生温いものじゃない。両腕の肘から先をしっかり覆い隠すそれは、喧嘩用の武器じゃなくて戦闘用の兵器。 一撃でもまともに食らえば、唯じゃすまない。それが一目にして分かる代物だ。だが、問題はそんな事じゃなかった。 その鉄塊は怖いけど、襲い掛かってくる男は怖いけど、それ以上に怖いものがあった。 自分自身だ。 いくらこなたが、運動神経抜群で格闘技経験もあるからと言ったって、限度がある。 彼女は所詮、ただの女子高生。戦場に慣れた男にかかれば、一瞬にして屍と化す自覚があった。 けれどならない。男の攻撃は決して緩くないのに、どういうわけか攻撃を避ける事ができる、防ぐ事ができる。 (ほ、本当にどうしちゃったんだよ?) 体育祭で一番になった。アミノ式の体操が全部できる。もともと運動神経には自信がある。 しかし、それだけでは説明できない現象だ。 攻撃を防ぐ腕が、剣を振る体が、いつもより圧倒的なスピードで動く。 剣の使い方なんて全く知らないけど、ただひたすらに振り続ければいずれは勝てる気さえしてきた。 (で、でも……あたしはこんなことなんて、出来やしないよ…………) 動きとともに研ぎ澄まされていく体に反比例するように、こなたの心は恐怖に満ちていく。 勝てる、勝ててしまう。明らかに強いと思えるこの男相手に、自分が。 (本当に、ほんとに、どうしちゃったんだよ……) 全く合点がいかない。勝てることに安心が出来ない。 不安を振り切るように、こなたは全身のバネを利かせて剣を振り切った。 「うぉぉおおおおおおおおお!」 互いの均衡を崩す初めての一撃。 アスファルトに転がる男のダメージは恐らく甚大。 (お、起きないで……もう死んでよ!!!) 心の中で、それだけを願う。ゆーちゃんの事もあるが、それ以上に強くなった自分が怖くて、もう戦いたくない。 こなたのそんな願いをよそに、男は何事もなかったかのように立ち上がる。 (う、嘘……) アスファルトなんて、どうということはない。そんな感じの顔をしている。呆れたタフさだ。自然、剣を握る腕にも力が入る。 そんな時だ。あたりの空気が変わった。突然、男が構えたその瞬間に。 (な、何……) 右手をライフルの照準のように前に構え、左手の肘を大きく引き、左拳は顔の前で強く握りこむ。 下半身は右足を半身だけ前に出す剣術の構え。上半身は気持ち前に傾きかけている。先ほどまでと明らかに違う。 素人のこなたにも分かった。来る、っと。 爆音のような踏み込みとともに、男が駆る。 それでも人間かと言いたくなるような突進力に、こなたは恐怖しながら、対応できてしまうであろう自分にもっと恐怖した。 ガッァアアーン! 手甲と西洋刀がぶつかり合う金属音が、あたり一面に響き渡る。 両者の正面衝突で、吹き飛んだのは体重の軽いこなただった。 器械体操の時間で味わったような、くるり宙に舞う感覚をここでも味わう。 どうということはない。体を反転させて着地するだけ。 そう思い、クルリと体を入れ替えるとそこには、吹き飛んだ自分に付いてくる男の姿。 ありえないことに、男は飛ばされた自分に追いつき、そのままつかみ上げる。 そして、髪を掴んだままぐるぐる回して上空へと放り投げた。 髪を引きちぎられるような痛みと、回転する酔いに一瞬気を失ってしまうこなた。 目を覚ますと、目の前には男の拳。 (だ、ダメ。かわせない!!) こなたが覚悟を決めた瞬間。 男とこなたの間に、一本のバズーカーが投げ込まれた。 「いい年したおっさんが、女の子を苛めてんじゃねーよ」 あらわれたのは一人の少年。バズーカーを投げ込んだあとは走りこみ、男とこなたの間に割り込んでくる。 気を失っていた時に手放したこなたの剣を拾い上げ、男と対峙する。 「っふ、安心しろ。別に殺す気はない。殺し合いの狂気にあてられ、正気をなくした餓鬼など悪・即・斬に遠く及ばん小物だからな」 嘘つけ、どう見ても本気だったろうが!! 「殺す気がない? アンタ何様のつもりだ? 殺さなきゃ何したっていいってのかよ?」 少年も負けじと言い返す。 自分の味方。明らかなお助けキャラだ。ドラクエで喩えれば、ルイーダの店に登録されている戦士と言ったところだろうか。 「ぶいつぅとやらを捕らえるのに、糞餓鬼に暴れられては厄介なのでな。大人しくさせる必要があったまで」 「だ、だからって……お前みたいな奴がいるから、お前みたいな奴がいるから……アイツは、アイツはなああああ!!!」 速い。 先ほどまでのこなたをも上回るスピードで、少年は男に斬りかかる。 だが男は動じない。冷静に手甲で受け止め、攻撃をやり返す。 男が殴る、少年が防ぐ。少年が斬り返す、男が受け流す。 手数が増すにつれ、2人の速度は上がり、いつしか路上に一陣の風が舞い起きる。 (す、すごい……) 何とか闘っている少年も凄いが、それ以上に男が強い。 間違いなく劣性の武器を与えられ、それでもなおノーダメージ。 剣撃はすべて受け流し、必要となれば殴り返してくる。 疾風のような攻撃の中、明らかに優勢なのは男の方だった。 (わ、私……あんなのと戦ってたんだ……) 今なら分かる。男は本気を出していなかった。恐らく、自分が子供に見えるから。 そしてもう一つ分かる。自分を助けてくれた少年は負けるということが。 襲い掛かる少年の刀は、全て男の両腕に防がれている。 対して、男の拳は僅かではあっても、少年にヒットし続けている。 2人が巻き起こす風は既に一陣の疾風となり辺りに立ち込める。 こなたは、先ほどまで目で捉えられていた動きが微かにしか見えないことに気づく。 そして、彼らの動きがまた1ランクアップしたかに見えた瞬間、少年が吹き飛ばされた。 (や、やっぱり……アイツ強い……) ドラクエで言えば少なくともバラモスクラス。 対する自分はダーマ神殿についたばかりの勇者といったところか。 まともに遣り合えば、とても勝ち目などない。それは、自分だけでなく少年も同じこと。 むくりと起き上がる少年。強かに打ち付けて、あまり無事とはいえないようだ。 「な、なあアンタ。俺たちを殺す気あんのか?」 「無い。今のところは、な」 「そうかい……なら、サイナラ!!」 少年はそういうと、男に背を向け脱兎のごとく逃げ出した。 途中でヒョイとこなたを抱え、そのままお姫様抱っこの形で走り抜けてしまった。 ~・~・~・~・~ 「ふぅ……阿呆どもが」 走り去った少年たちを追いかけようとは思わなかった。 正気をなくした童女と少年が一緒になったところで、別段困ることも無い。 というより、斎藤はあくまで自身の正義『悪・即・斬』のみに生きているわけで、彼らはその粛清対象ではなかったのだ。 少女は最初から、意味不明だった。何を言っているのかサッパリ斎藤には理解できなかった。 しかし、彼女の発する匂いは幕末の混乱の最中、京で嗅いだ匂いによく似ていた。 (親しいもの……親族か何か。『とっても可愛い』という言葉から、恐らく妹か。ぶいつうに殺されたのだろう) 正気をなくし、襲い掛かってくるだけの女など悪・即・斬に遠く及ばぬ。己の正義は、ただ悪を斬る為にある。 そう思い、斉藤はポケットの中の煙草をまさぐる。しかし、煙草は地面に落ちたばかりだった。 そういえば、さっき捨てたっけか。 一服するのはぶいつうを倒した後の楽しみに残しておくか。 壬生の狼が目指すものは、許せない悪一つ。彼は即座にそれを斬ると心にきめ、闇の中へと消えて行った。 【一日目黎明/F-9 西部】 【斎藤一@るろうに剣心】 [装備]:無敵鉄甲@るろうに剣心 [所持品]:支給品一式、確認済み支給品0~2個 [状態]:健康 [思考・行動] 1.悪・即・斬を貫きぶいつうを殺す。 (な、何、何なのさ?) 颯爽と助けたかと思えば、一瞬にして逃げる。 男が追いかけてこなかったから良かったものの、格好悪いったらありゃしない。 しばらくお姫様抱っこで走った後、すぐに少年は息を切らしこなたを地面に下ろした。 (んむむむむ……) こいつは命の恩人と見るべきか。ゲームの中に突然現れたお助けキャラ。 いやしかしそれにしては、登場シーンこそロマンシング・サガ、アイシャ編のカヤキスみたいに格好よかったものの、その後が良くない。 大体、お姫様抱っこって何事じゃ。 こなたも、オタク少女とはいえ人並みに女の子である。 お姫様抱っこをする男には、それなりのステータスを要求したい。なにせ自分は希少価値あふれる貧乳であるからして…… 「な、なあ。どこも怪我は無いか?」 「ふぉ!!」 男が体をパタパタとはたきながら、こなたに確認する。その表情はやさしく、そして、どこか…… 「大きな怪我は……無い…………と思うよ」 髪の毛が、僅かに乱れている。先ほど男に掴み上げられたからだ。 しかし、それ以外には全く無事といってよかった。RPGで言えばホイミで回復する程度のダメージだろうか。 「無事か? 本当に無事なんだな?」 「い、一応……」 真剣な顔で、こなたの体を心配する少年。初対面の癖して、自分の体を心配しすぎるこの男、何者だ。 「よかったぁ……、お前無事だったのかよ」 「ふぉ!!!」 抱きつかれた。お父さんみたいに。いや、お父さん以上に力強く。 「お前に何かあったら、どうしようかと思ってた……」 (な、何……いったい何?) わ、わたしこの人となんかあったの? いや、いくら考えてもそんなロマンとは無縁の人間ですよ私は? どこかの誰かさんと勘違いしてるんじゃありませんか? こなたの頭は大パニックだ。 さっきの細目の男がバラモスなら、コイツはルイーダの店にいる仲間の戦士だろうか? 自分が勇者だから、コイツはこんなに馴れ馴れしいのだろうか。 「もう二度と俺はお前を離さない」 (な、なんですとーーー!!) 「今だから言えるよ、恥ずかしいけど聞いてくれ」 (な、なな、何を言うつもりですか?) こなたの頭は既にゾーマの存在を知ったアリアハン王のように混乱している。 密着している状態なのだから、剣を奪い取って殺せばいいのだろうが、そんな冷静さも彼女の頭には無い。 「一目お前を見たときから惹かれていた」 「ふ、うぉぅ!!」 「お前の小さな体、それでも強い意思を持ったところ、意地っ張りなところ、全部好きだ」 「は、はいいいい!!」 「一目惚れだった……本気の気持ちだよ」 「いやいやいや、お兄さん、人違い、人違いですよ」 何事ぞ、この少年は何を言っているんだ? これならまだ、バラモスに襲われた方が幾分マシというものだ。 「ハハハハッ、人違い? いや、違うね。人違いじゃない。アンタ、ルイズだよ?」 「ルイズ?」 「そうだよ、ルイズだよ。ルイズに決まってんじゃん。反応したんだからさ、俺のガンダールヴが。 アンタを守る時、いつもみたいに力をくれたんだよ。だからアンタがルイズなんだよ、アイツが死ぬわけねーじゃん!!」 突然目を血走らせて、ルイズルイズと絶叫する少年にこなたは圧倒されると同時に気づいた。 この少年は自分をルイズだと思いたがっている。確証はない、というか、あるわけがない。なんせ自分はルイズじゃないんだから。 だけど、それでもルイズだと信じたがってる。恐らく、そのルイズって子がもう…… 「俺の小っちゃなご主人様を守るために、俺のルイズを守るためにガンダールヴが発動したんだよ…… そりゃ、光らなかったぜ? でもさ、体が軽くなって剣が使えるようになるって、どう考えたって俺たちの絆だろう? な、そうだろ、ルイズ? お前は死んでないよな、生きてるよな?」 哀れなほど混乱する男は、目の前にいる少女をルイズと言って憚らない。人違いだと言っても聞かない。 「俺はお前の哀れな下僕さ、もう二度と俺を離さないでくれよ、後生だ、お願いだよ」 これは一体何だと言うのだ。強制的に流れるイベントの荒らし。 バラモスクラスの敵に襲われたかと思えば、今度はある意味もっと強敵なメダパニ野郎。 だが、こなたの頭に一つの考えが浮かんでくる。 (も、もしかしてコレって、こんなゲーム? ゆーちゃんを助けるために必要なの?) 「何があっても、お前から離れないよルイズ。俺はもうお前しか見えない……」 ここがゲームの世界なら、自分が囚われの姫を助ける勇者なら、仲間が必要じゃないか。 途中で踏み台にして捨てるヨッシーのような、商人の街に捨ててくるだけの商人のような、アイスソードを奪うためだけに殺すガラハドのような、そんな仲間が必要じゃないか。 「わかったよ、私がルイズだよ」 こなたはたった一言、そう答えた。 自分一人じゃゆーちゃんは生き返らない。バラモスに勝つためには、仲間の力がいる。 少年の狂った愛を、それ以上に狂った少女は少しためらった後に受け止めた。 【一日目黎明/F-10 東部】 【泉こなた@らき☆すた】 [装備]:なし [所持品]:支給品一式、確認済み支給品0~2個 [状態]:健康 [思考・行動] 1.優勝して、白髪の男の子にリセットボタンをもらう。 2.目の前の少年が言うルイズになりきり、ともに戦う。最後は少年も殺す。 平賀才人が初めて見た人間は、もう人間の姿をしていなかった。 それは人間と言うより肉塊、肉塊というより肉片、いや肉片すら満足に残っていない残滓。 所々に散らばっている血液らしき黒点と、初めて嗅いでもそれと分かる人肉の匂い。 そして、生前その人間が着ていたと思しき服の切れはし。 それらだけが、そこに人間がいたことを物語っていた。それが無ければ、そこに人間がいたことなど分からなかった。 「ひでーことしやがる……」 ハルケギニアでは戦争が絶え間なく起こり、人が死ぬことも珍しくない。 しかし、この死体(死体と呼んでいいのかどうかすら定かではない破片たち)は、そんなものが可愛らしく見えるほどに残酷だった。 一つ、骨が転がっている。 理科室で見た模型を記憶の中に呼び戻し、それと照合してみると背骨の一つだろうと分かる。 遺体と呼べるものの中で、安定した大きさを持つものはその一つだけ。 才人はそれをポケットの中にいれ、立ち上がる。 「満足に弔うことも出来ないけど、終わったら供養ぐらいしてやるよ」 今は戦場、優先すべきは小さなご主人さまを探して守ること。 見ず知らずの赤の他人は、可哀想だが無視するよりほかはない。 遺骨を持っていくのは、せめてこれだけでも家族に手渡せたらという思いからだった。 「んじゃ、俺はルイズを探しに行くからな」 土にでも埋めたいところだが、ここは遊園地近くの住宅街。 その土さえ満足にない状況だったので、諦めて行くしかなかった。 ふと、立ち上がった才人は懐かしい一本の鉄柱を見つける。 「これは……破壊の杖じゃねぇか」 別名を携帯式対戦車ロケットランチャー。 才人がハルケギニアに立ち入ったとき、一番最初に使った自分の世界の武器だ。 (懐かしいな、これを手に入れる任務がルイズと一緒に体験した初めての冒険だったんだ。 手に取るとさ、ガンダールヴのルーンが光って体が軽くなるんだよ。そんでもって、武器の使い方がわかってさ。 あんときゃ、何も知らなかったからびっくりしたもんだ。ま、知らないのは今も同じだけどね) 手にとってロケットランチャーを見てみる。 単装型ながら、その威力は計り知れず、持っていると心強い。 目の前に転がる仏さんに、手を合わせ、才人はランチャーを失敬することにした。 もちろん、いくら人殺しに巻き込まれたとはいえ、そう簡単に使いたい武器じゃないから、持ってるだけになると思うけど。 (さ、いくぜ……ルイズ、待ってろよ) 心に強く、ご主人さまを守ると決意する。 ガンダールヴの力が、サイトの身を軽くする……はずだった。 「あれ? っかしーな、何にも起こらねぇ」 ガンダールヴの力ってなぁな、使い手の心に反応するんだよ。 とは、伝説の剣の言い分だ。今の自分は全く心が震えてないとでもいうんだろうか。 それとも、破壊の杖が武器じゃないとでも言うのだろうか? 何となく不安になり、才人は支給された武器を一本取り出す。 これが『武器』なら、自分のガンダールヴが反応するはずだ。 「な、お、おい、どうしたんだよ? チカっとぐらい反応しろよ!!」 しかし無反応。 「何が起こったってんだよ。おかしいだろ、いつもと違うじゃん」 ハルケギニアに召喚されて以来、ガンダールヴが才人を裏切ったことなど一度もなかった。 それに加え、隣に転がる死体と、殺し合いという環境が、才人の頭を混乱させる。 ま、まさか、どうして? そう言えば一度だけ、ガンダールヴの力を失ったこともあったが、あれは…… いやいや、違う。あのときとは明らかに事情が違うだろ。 「だ、大丈夫だよな……ルイズ……」 家を買うつもりだった。 聖戦が終われば、ルイズと二人ですむための城を買うつもりだった。 ───なによそれ、あんた、こっちの世界に根を生やすつもりなの? ───いや、まあ、なんつうの? 変える方法はあるんだから、ちゃんと挨拶しに帰ったりはするよ。 でももう、こっちの世界もひとつの故郷。そんな気持ちがするんだよ。 本心だった。実家にいる母のことは心配だが、それ以上に小っちゃなルイズが愛おしくてたまらなかった。 家を買おう。二人で暮らそう。 家具は綺麗なのがいい。とびきりいい店がトリスタニアにあるんだ。 庭には池がほしいな、そこには上品な魚が泳いでて毎日餌をあげるんだ。 馬小屋には何頭か馬がいて、どれも質のいい駿馬ばかり。 でもさ、どれだけ手間のかかりそうな家でも、メイドも執事も要らない。だって、二人きりで住む家なんだもん。 結婚しようと言ったわけじゃない。結婚できるとも思ってない。 だって、自分とルイズは所詮ご主人と使い魔なのだから。だけどさ、2人の間には間違いなく愛があったさ。いやさ、愛があるさ。 出会い系サイトに登録して、全くモテないまま人生を送り異世界にまで飛ばされた自分だけど、 それでも守りたいと思う女の子がいて、その子がとっても可愛くて。愛おしくて、抱き締めたくて…… 「大丈夫だよな? ルイズ……」 訳もなく不安に駆られる。理由はない、だから大丈夫なはずだ。昔から『便りが無いのは無事の知らせ』って言うじゃないか。 妙に不安がる必要はない、理屈がないなら信じろよ。アイツだって伝説の担い手なんだぜ…… そう思った才人の目に、月闇に目が慣れてきた才人の目に、地面に散らばった遺留品の一つが飛び込んでくる。 それは桃色がかったブロンドの長髪。ご主人さまのトレードマーク。 「嘘だ……なんだよこれ、ありえねーって……」 そう考えると合点が行く。ガンダールヴの力を失ったことも…… いや、違う。ガンダールヴの力をなくしたのは初めてじゃないだろ。前だって一度あったはずじゃないか。 同じ髪の色の女の子ぐらい山ほどいるさ、これはその子のだよ。別人だって、絶対別人だって。 震えるような手で、髪をつまみ上げる。柔らかい手触りと、懐かしい香りが漂ってくる。 「嘘だろ? 嘘だろ? 嘘だろ? 嘘だって言ってくれよ!」 あたりに散らばる破片たちをかき集め、才人は無心に考える。これは違う。これはルイズじゃない。絶対に違う。 「あ、あ、あ……あはははっはあああ」 しかし、そう思った才人の目に飛び込んできたのは無慈悲な一枚。 紺色をした、一枚のマント。ルイズが学院にいる時、いつも付けていたマント。 闇夜に紛れて、アスファルトと同じ色のマントには先ほどまで気づかなかった。 そして、その下に…………ルイズの鳶色の瞳が一個………眼球一個分だけ転がっていた。 「うぁああああああああああああああああー、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!!!」 ありえない。 どうして、こんなことが起こるんだよ。 アイツが何したってんだ? 可愛い俺のご主人さまが何をしたってんだよ。 ただの女の子だぜ。そりゃ、伝説の虚無だけどさ、それでも女の子だぜ。 小さくてさ、それでも大きな貴族の誇りを持ってさ。誰よりも強くあろうとして、それでもよわっちくて……女の子だったんだぜ…… 手に取った瞳は冷たく、予想以上に乾いている。 「なぁ、ルイズ約束したよな? 二人で暮らそうって」 「戦いが終わったらさ、俺はお前と一緒に幸せになろうって思ってたんだぜ?」 「っていうか、誓ったじゃねーかよ。覚えてるか? アルビオンに行ったときよ、俺達結婚式挙げたよな? もちろん、作りものの偽物の結婚式だけどさ、俺の気持ちは本物だったんだぜ? 分かってただろう」 乾いた眼球は、何の返事も返さない。 「誓いの言葉は結局言えなかったけどさ、それでも……それでも俺は……」 握りしめた眼球は、全く動かない。 「嘘だろ、お前死んでねえよな? 生きてるよな生きてるに決まってるよ、絶対そうだって。っていうか、死ぬわけねーだろ?」 サイトはもう何も考えられなくなっていた。 ただルイズが愛おしい。ルイズだけが欲しい。そう思ったことさえあったというのに、突然すぎる別れ。 自分はこんな結末を望んでいた訳じゃない。いくら戦場に身を置くことが多いオンディーヌ副隊長とはいえ、ルイズの死なんか望んじゃいない。 「ありえねー、お前は生きてるよ。生きてるって、絶対に……」 動かなくなったガンダールヴは絶対の証拠。けれど、信じない。 「いや、待てよ? ありえねーって、何がありえないんだよ?」 唐突に、何かがひらめきそうだ。 才人の、決して優秀とはいえない頭脳に、一筋の光明が差し始める。 そうだ。 ありえないなんて言うけど、そもそも自分がハルケギニアに召喚されたこと自体有り得ない事態じゃないか。 それが有り得たんだから、何だってあり得るだろう。大体、一度ガンダールヴの力を失っても結局元通りになったじゃねーか。 「そうだよ、何だってあり得るだろ? 今さら、あり得ないなんてねーよ。元々剣と魔法の世界じゃねーか」 そうだとも、ルイズは自分と違いファンタジー世界の住人だ。 考えろ。ファンタジー世界の住人なら、絶対にあるはずだ、何かの抜け道が。 才人の頭に、剣と魔法の世界代表ドラゴンクエストのイメージが湧いてくる。 『おぉ、ルイズよ死んでしまうとは情けない』そんな言葉がリアルな音声付で、頭の中に再生される。 「そうだよ、死んだら生き返らせりゃ良いじゃん、ザオリクぐらいどっかにあるよ……なきゃ教会に連れてけばいいんだよ」 才人の思考は、あらゆる意味で正常さを失っていた。 「うぉぉおおおおおおおおお!」 そんな時だった。女の子の叫び声とともに、激しい金属音が辺りに木霊する。 才人は反射的に、音の方へと駆け走った。 たどりつくとそこでは、目付きの悪い男が一人、少女を襲っている。 青い髪、日本では見慣れたセーラー服。どちらもルイズの面影を感じさせない。 けれど、小さな体と、年頃の娘には似つかわしくないペッタンコ胸が、何となくルイズを連想させた。 (ルイズ、ルイズ、俺のルイズ。ああぁ、可愛いなぁ、チクショウ……) 気がつけばサイトは、2人の戦いに割って入っていた。 「いい年したおっさんが、女の子を苛めてんじゃねーよ」 だってソレ、ルイズかも知れないんだぜ? そう思って、才人は少女の持つ剣を手に取り、彼女を守る盾となる事を決意した。 力は失っても役割は失ってない。自分は虚無の使い魔、ガンダールヴだ。 戦いが始まって、才人は違和感に気づく。 男が異常なまでに強いのだ。そして、その強い男に自分が渡り合えている。 互角とまではいかない、相手は劣る武器をもって自分を押している。実力でいえば敵が上であることは火を見るより明らかだった。 しかし。 剣をふるう体が軽い。横薙ぎに払う腕が速い。 疾走する自分の体は、普段のそれではなく、ガンダールヴの力を得た時のそれ。 男の拳を剣で受け止める、思わず後ろに飛ばされそうになるが何とか踏ん張れる。剣を握ると、力が湧いてくる。 なぜ湧いてくる? ガンダールヴの力は失ったんじゃないのか? (ハハハハハハッ、そうだよ。ルイズがいなきゃこんなこと出来る訳ねーじゃん) 生きてる生きてる、ルイズは生きてる。 今も不安そうな顔で自分を見つめている。あの子がルイズだ。見た目は違うけど、絶対そうだよ。 アイツが死ぬわけねーじゃん。 一緒に暮らすって約束したんだ。家を買おうって約束したんだ。 同棲だぜ? 愛がなきゃ出来ないよ? それなのに、自分を残して死ぬわけないだろ? (アハッハハハッ、ルイズがルイズがルイズがルイズがルイズがルイズがルイズがルイズが、生きてたよ。 ちくしょう、やっぱ可愛いな。顔が変わってもルイズは可愛いな、俺のルイズ、ちっちゃなルイズ。俺の愛しいご主人さま。 あぁ、今すぐ抱きしめたい。こんな闘いどうだっていいじゃねーか。今はアイツが大事なんだよ) 男の攻撃を受け、アスファルトに強く叩きつけられた才人は痛みも忘れて、ただルイズのことばかり考えている。 「な、なあアンタ。俺たちを殺す気あんのか?」 「無い。今のところは、な」 「そうかい……なら、サイナラ!!」 戦いなんて、今はどうだっていい。 ただただ、ルイズを抱きしめたい。そう思って、才人は新しい『ルイズ』を抱えながら、男の元を走り去る。 男は不思議なことに追いかけてはこなかった。 「な、なあ。どこも怪我は無いか?」 才人には目の前の少女がルイズに見えなくても、ルイズに見える。 だって、アイツが死ぬわけないだろ? 「無事か? 本当に無事なんだな?」 「い、一応……」 だって、ガンダールヴの力が働いたんだぜ。この娘がルイズに決まってんじゃん。 「よかったぁ……、お前無事だったのかよ」 「ふぉ!!!」 抱きつく。香りは少しルイズじゃない。 「お前に何かあったら、どうしようかと思ってた……」 死んだかと思った。あの死体がルイズかと思った。 でも違った。姿かたちは違うけど、きっとここにいるのがルイズだ。 もう二度と離さない。 見た目が違うって? そんなの些細な問題だろ……主人と使い魔の絆は、見た目だけじゃ断ち切れないんだよ。 「もう二度と俺はお前を離さない」 この想い。本気だ。 姿かたちが変わっても、ルイズには変わりないだろ? だってそうだろ? アイツが死んだなんて悲しすぎるじゃねーか。 耐えられねーよ俺。嘘だって言ってくれよ、ルイズは生きてるんだよ、なぁ、お前、ルイズだよな? ルイズだって言えよ。 「一目お前を見たときから惹かれていた」 嘘じゃない。二度目の告白だ。いや、最初から惹かれてたって言うのは無理があるかもしれない。 犬だのなんだの言うルイズに辟易したことがあるのも事実だ。でも好きだ、お前が好きなんだよ、マジでさ。 「いやいやいや、お兄さん、人違い、人違いですよ」 「ハハハハッ、人違い? いや、違うね。人違いじゃない。アンタ、ルイズだよ?」 そうだよ。 違うなんて悲しすぎるじゃねーか。アンタがルイズじゃなかったら、誰がルイズになるんだよ。 っていうかもう、ルイズでいいよ。死んだなんて信じられないんだよ俺は。 「そうだよ、ルイズだよ。ルイズに決まってんじゃん。反応したんだからさ、俺のガンダールヴが。 アンタを守る時、いつもみたいに力をくれたんだよ。だからアンタがルイズなんだよ、アイツが死ぬわけねーじゃん!!」 死んでねぇ、死んでねぇ、死んでねぇ、死んでねぇ、死んでねぇ。 絶対生きてる。目の前にいるアンタがルイズだ。そうだって言え、言わないと殺す。 「俺はお前の哀れな下僕さ、もう二度と俺を離さないでくれよ、後生だ、お願いだよ。 何があっても、お前から離れないよルイズ。俺はもうお前しか見えない……」 新しい『ルイズ』を抱きしめて才人は思う。 才人だって、この女がルイズとは似ても似つかない別人だって事ぐらい、心のどこかで気づいていた。 でも、それが本当だなんて思いたくない。信じたくない。だからいい、これがルイズだっていい。あいつは今ここに生きてるんだって思いたい。 「わかったよ、私がルイズだよ」 そうして、才人の思いは受け入れられた。 少女は才人の新しいルイズになったんだ。新しいご主人さま、ガンダールヴを使役できる新しい虚無の担い手…… 【一日目黎明/F-10 東部】 【平賀才人@ゼロの使い魔】 [装備]:女神の剣@ヴィオラートのアトリエ [所持品]:支給品一式、確認済み支給品1~3個(このうち少なくとも一個は武器です)、ルイズの眼球、背骨(一個ずつ) [状態]:健康 [思考・行動] 1.新しい『ルイズ』と一緒に行動する。 [備考] 1.女神の剣@ヴィオラートのアトリエは元々こなたの支給品でした。 こうして、愛する人を失った二人の少年少女が巡り合う。 妹同然にかわいがっていた子が、目の前で死んだ。首だけ弾け飛んで。その瞬間少女の理性も吹き飛んだ。 殺し合いをゲームと思い、遊園地を飛び出した少女はもういつもの彼女ではなかった。 恋人のように愛し合った女の子が死んでいた。それは死体とすら言えないほどの残骸。 乾いた眼球を握りしめ、語り合った日々を思い出す。そして、想い出を一枚一枚めくるほど、少年の心は壊れていった。 壊れた少年の心を支えたのは、ルイズという一人の少女。そして、ガンダールヴの絆。 けれど、それは偽りの少女と絆だった。ガンダールヴは偽物で、もう彼になんの力も与えない。 彼に力を与えたのは全く別のものだったのだ。しかし、少年はそれに気づかず、少女がくれた使い魔の力だと勘違いした。 少年に力を与えた本当の物。その正体。それは、少年が使った武器である。 人呼んで女神の剣。 人跡及ばぬ遺跡の最奥。神に最も近い場所と呼ばれた地に、その剣は眠っていた。屈強なデーモンたちに守られて。 本来、人目につくはずも無い魔物たちが守る神殿に祭られた神具である。その切れ味、まさに闘神の如し。 女人でも握れるほど軽く、使い勝手のいいその刀は、神殿に辿り着いた錬金術師たちの用いる最高峰の武器のひとつだった。 使い手に、女神の祝福を与え、ありえぬほどの身体力強化という恵みを施す。それが、この武器の特性だ。 そう。そして、それ以外、何の問題も持っていないのも、この武器の特徴のはずだった。 人跡未踏の地に捧げられた宝刀とはいえ、ただの剣。呪いなどかけられるはずもない、聖剣の一種なのだ。 しかし、それを使った状況が悪かった。 少年は剣にかけられた祝福をガンダールヴの力と勘違いしてしまったのだ。 誰にも等しく力を与えてくれる剣であるにもかかわらず…… 女神の剣は黙して語らない。 冠された女神の名は、幸運の女神などではない。 ただただ、力を与えるためだけの戦女神。 力を与えよう、欲しいなら。だがしかし、我はそれ以上のことをしない。 我は戦女神、ただひたすらに力だけを望め。 [備考] 2.女神の剣@ヴィオラートの従属効果は『攻撃回数増加+3、攻撃力+3、防御力+3、素早さ+3』です。 時系列順で読む Back くノ一は見た! Next Be Cool! 投下順で読む Back ねぇ、教えて、どうしたらいいの? Next 乱(みだれ)後… かえして!ニチジョウセイカツ 泉こなた 044 幸せの星 GAME START 平賀才人 斎藤一 066 お前の姿はあいつに似ている
https://w.atwiki.jp/tarowa/pages/282.html
[名前]平賀才人 [通称]サイト [出典]ゼロの使い魔 [声優]日野聡 [性別]男 [年齢]17 [一人称]俺 [二人称]お前、お前ら、あんた [三人称]あいつ 日本の東京から異世界ハルケギニアに召還された少年。 ルイズの魔法(サモン・サーヴァント)により呼び出されて以降、ハルケギニアで暮らすことになる。 日本では17歳のごく普通の少年であり、好物はテリヤキバーガー、嫌いなものは体育の先生、特技はアクションゲーム、趣味はパソコンやインターネット。出会い系サイトにも登録し、彼女を作ろうと考えていた。 ちなみに彼女いない暦=年齢である(ただし、劇中でルイズと恋人以上新婚未満までいってると言っても過言ではない)。 日本にいたときはごく普通の高校生であり、自分の存在意義などあまり強く考えたこともなく、高校を出たら、普通に大学へ入って、普通に就職して、普通の人生を送るだろうと考えていた。 しかしハルケギニアに来てからは伝説の使い魔ガンダールヴの力に目覚め、様々な冒険や任務をこなし、ハルケギニア、トリステイン王国にとって欠かすことのできない人材にまでのし上がる。 そのためハルケギニア、トリステイン王国に自分の居場所を見出すようになった。 自分はトリステインでは必要とされている人材だということに充足感をもって暮らし、日本で生活するよりトリステインで生活していたほうがいいのではないかとさえ感じることもあるほど。 ただし日本への未練が捨てきれたわけではなく、特に母からの才人宛メールを読んだ時には涙が止まらないほど日本を恋しく思っていた。 [性格] 楽観主義のお調子者。良くも悪くも不測の事態に動じない。 異世界召還、魔法の肯定など、常識人では頭が混乱するだけの事態にも全く動じないほどの胆力(無神経?)の持ち主。 以下、多ジャンルバトルロワイアルにおけるネタバレを含む +開示する 平賀才人の本ロワにおける動向 登場話 028 044 072a 072b 登場話数 3 スタンス マーダー 初期支給品 ヴァンの蛮刀@ガン×ソード、DS系アイテムの拡張パーツ(GBA)@その他、不明支給品0~1 キャラとの関係 キャラ名 状態 呼び方 二人称 関係・認識 関係話 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 仲間 ルイズ お前 遺体を目撃する 未遭遇 泉こなた ルイズだと思い込む 028 044 072a 072b 斎藤一 敵対 アンタ、お前、てめえ F-10東部にて戦闘 028 072a 072b 柊かがみ 襲撃する 044 ストレイト・クーガー おっさん お前 G-10遊園地にて戦闘 044 072a 072b 園崎詩音 すげえ胸 072a 後藤 捕食される 072a 072b 踏破地域 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 A B C D E F G H I J F-10地図にない民家の前→F-10東部→G-10遊園地→G-10南西部 ※遺体はF-9教会にて捕食される
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7304.html
トリステイン魔法学院の学生にして失敗ばかりの落ちこぼれ『ゼロのルイズ』。 二年生への進級をかけた『春の使い魔召喚の儀式』へと臨んだ彼女は”彼”を召喚した。 召喚されたばかりの”彼”を見たルイズはただの平民の子供だと思った。 自分よりも年下のようだが、そう年が離れているわけでもなさそうだ。 ともかく召喚自体は成功したのだから、まるでダメと言うわけではないのだとルイズは自分を元気付けた。 そして周囲を不安げに見回し、怯える犬が威嚇するように唸る”彼”を宥めながら使い魔の契約をした。 使い魔のルーンは”彼”の胸へと刻まれた。 そんな”彼”との生活が始まったのだが、それはとても多忙な日々となった。 まず、”彼”は何かしらの障害を持っているのか、言葉を話さないのだ。 ”あ~”、”う~”などの唸り声を上げるだけ。 次に好奇心が旺盛であり、感情の起伏が激しい。他の使い魔を見れば時と場合を選ばず飛び掛り、 魔法の授業の時には練金で小石が真鍮に変わったのを見るや、怯えて暴れ出した。 更に食欲も旺盛。最初に食堂に連れて行った時は野生児の如くテーブルに飛び乗り、料理を散々に食い荒らした。 その事があって食事の件は知り合いのメイドであるシエスタが何とかしてくれる事になったのだが、 結局はこれらの事実にルイズは頭を悩ませる事になった。 だが、それでもルイズは”彼”を見放そうとはしなかった。 自分が召喚できた使い魔だと言う事もあるが、何より”彼”はルイズやシエスタに懐いていたのだ。 その懐きぶりは自分が下の姉に甘える姿にとてもよく似ていたのだ。 それゆえ、無下に突き放す事も出来なかったのだ。 そんな”彼”をルイズは日が経つにつれ、ただの平民だとは思えなくなった。 …その原因は”彼”の成長にあった。どういう訳か、”彼”は常人とは比べ物にならない速度で成長していったのだ。 どんどん成長し、ついにはドラゴンなどと比べられるほどの大きさになった”彼”に、 使い魔召喚の儀式から”彼”に刻まれたルーンに興味を持っていたコルベールも驚きを隠せなかった。 そして、最初はルイズと同じか多少低い位だった”彼”の背丈は、今や二十メイルに達しようかとしていた。 最早疑う余地は無かった。”彼”の常人とは異なった言動もこれで説明がつく。 ”彼”は亜人だ――そうルイズは思い至った。 そんなある日…、学園にルイズの姉であるエレオノールがアカデミーの研究員数名と共にやって来た。 ハルケギニアに生息するどの亜人よりも巨大で異質な”彼”は王宮の、アカデミーの興味を引いたのだ。 そして実験体としてアカデミーに連れてくるように指示が出て、エレオノールらが来たのだ。 エレオノールは”彼”の引渡しを妹に伝えるが、ルイズは当然それを拒否した。 幾ら頭の上がらない姉であろうと大事な使い魔を渡せるはずが無かったのだ。 すると他の研究員が”彼”を魔法で捕縛し、強引に連れ出そうとしだした。 ”彼”は怯え、激しく抵抗し、暴れた。その結果、研究員の内二名が巻き込まれて死亡した。 そのまま”彼”は魔法学院から逃げた。一度だけ、ルイズの呼び声に振り向き、悲しそうな表情を見せて。 ルイズは”彼”を連れ戻すべく、魔法学院を飛び出した。コルベールとエレオノールもそんな彼女に付き添った。 消えた”彼”は食料となる家畜を襲いながら、トリステイン中を放浪しているようだった。 目撃情報を得ながら、ルイズ達は”彼”の姿を捜し求めた。 そんな最中、ガリア南部の山地の中に点在するアンブランと言う村が何かに襲われ、村人全員が行方不明となる事件が起きた。 その村は以前からコボルドに襲われていた為、最初はそれらの仕業かと思われたが、そうではない事が解った。 破壊された家々はコボルドとは思えない、巨大な物に叩き壊されたような物ばかりであり、 何より人の死体が一つも無い所が妙であった。 コボルドに人の死体を一々始末するような知能が無い事は、ハルケギニア中の人間は知っているのだ。 そして、この奇怪な事件の犯人が先日トリステイン魔法学院から逃げ出した亜人では無いかと、人々は噂しあった。 無論、ルイズはそんな事は信じなかった。”彼”が自分から人を襲った事など、ただの一度足りとも無いのだ。 だが、世間はそんな少女一人の気持ちなどでは動かなかった。 事件がガリアだけに止まらず、ロマリア、ゲルマニアでも起こり、”彼”を完全に危険視したのだ。 各国の王宮は討伐隊を編制し、”彼”を捜索を開始するに至った。そんな状況にルイズ達は焦った。 そして、ルイズ達は朝靄が掛かる森の中でそれと遭遇した。 突如として地面が盛り上がり、巨大な怪物が姿を現したのだ。 それを見たコルベールは、その怪物が何か解った。 それは大昔に韻竜と共に絶滅したはずの火竜の亜種『バラナスドラゴン』であった。 怪物は地面から這い出るや、ルイズ達を見つけて大きく咆哮する。 その耳まで裂けた口から赤い液体が滴り落ちている。 それが人の血液であると言う事は直ぐに解った。…口の端から”人だった物”が除いていたのだから。 ルイズは吐き気を覚えたが、それを上回る激しい怒りが頭の中を駆け巡った。 ルイズは杖を振り、失敗魔法の爆発を怪物に放ち、エレオノールとコルベールも魔法を唱えるが、 怪物はそれらに全く怯む気配を見せなかった。 ついに精神力が切れ、魔法が撃てなくなったルイズ達は怪物から逃げた。 だが、ルイズだけが躓き、地面へと倒れてしまった。そのルイズへと怪物は牙の並んだ口を開けて迫る。 もうダメだ、とルイズが絶望した時、怪物の角が何者かに掴まれた。 見上げれば、怪物の角を掴んでいるのは”彼”だった。 ”彼”が怪物と戦っている隙にやって来たコルベールがルイズを抱え上げ、その場を離れた。 ”彼”と怪物の戦いは、人間と獣の戦いだった。 怪力と知恵で戦う”彼”に対し、怪物は牙や爪、ブレスを進化させたかのような強烈な熱戦、 更には最高百メイルに達する跳躍力で持って”彼”に襲い掛かる。 そんな理性と野生の対決は壮絶な物となった。 結果的に頭脳プレーで攻める”彼”に怪物は遂に逃げ出し、地中へと逃れた。 その後、”彼”は逃げる最中に謝って足を滑らせ、崖下へと転落したエレオノールを助け出し、 ルイズとコルベールの下へと送り届けるや、再び姿を消したのだった。 トリスタニアへと戻ったルイズ達は王宮へと事の次第を報告した。 全ての事件はバラナスドラゴンの生き残りの仕業であり、”彼”は無関係だと。 しかし、絶滅したはずのバラナスドラゴンが生き残っているなど在り得ない、と否定された。 更には、使い魔だからと問題の亜人を庇っているのではないか、と言われる始末だ。 結局、何を言っても信じてはもらえなかった。 そして、バラナスドラゴンの生き残りである怪物は再び現れた。 夜闇に隠れ、シエスタの生まれ故郷であるタルブの村の人々に襲い掛かったのだ。 次々と家が壊され、村人が老若男女の区別無く食べられていく。 タルブ領主のアストン伯が慌てて討伐隊を率いたが、一人残らず熱戦に焼かれたり食物にされた。 そんな地獄の様な光景を見ながら震えるシエスタに怪物は迫った。 その時、再び”彼”が姿を現し、怪物へと立ち向かった。怪物の首を締め上げ、投げ飛ばす。 だが、怪物もやられてばかりではなかった。二度も食事を邪魔された事は怒りを爆発させるには十分だった。 怒りの所為か、威力の増した熱戦が怪物の口から迸り”彼”に命中する。 最初は耐えられたそれも、威力の増している状態では耐え切れなかった。 僅かに怯んだ”彼”の隙を突き、怪物は大きく跳躍して覆い被さる。 鋭い牙で噛み付こうとする怪物の口へ、”彼”は岩を押し込み蹴り飛ばした。 ひっくり返る怪物に”彼”は更に岩を投げつける。 怒り狂う怪物は熱戦を吐き散らしながら”彼”に襲い掛かる。 ”彼”は怪物の注意を自分に引きつけ、村から引き離していった。 遅れて村へとやって来たルイズは、”彼”の意図を理解し、馬に乗るや後を追って森へと入った。 移動を続けながら二体の戦いは激しさを増していく。 やがて森を抜け、二体はハルケギニア随一の巨大な湖『ラグドリアン湖』へと辿り着いた。 そこで遂に戦いは終わりを迎えようとしていた。 ”彼”に投げ飛ばされ、地面に叩きつけられた怪物はフラフラになる。 その怪物の首を”彼”は渾身の力で締め上げる。 怪物は苦しみ、激しく暴れたが、”彼”も必死に締め上げる。 やがて、怪物の鳴き声が弱々しくなっていき、大きく一声鳴くとそのまま口を閉じた。 直後、骨が折れる音が首から響いた。 不自然に首が折れ曲がった怪物は地面に力なく横たわる。 その怪物の身体を”彼”は二、三度蹴り飛ばしたが反応は無い。完全に事切れていた。 ”彼”は怪物の死骸を持ち上げると、湖に向かって力任せに放り投げた。 大きな水飛沫を上げて怪物の身体は湖底へと沈んでいった。 怪物が沈んだのを見届け、”彼”は勝利の雄叫びを上げる。 その彼の勇姿に駆けつけたルイズだけでなくエレオノールやコルベールも笑顔を浮かべた。 ――だが、事はそれで終わらなかった。 突如、ラグドリアン湖の水面から巨大な水柱が立ち上り、そこから声が辺りに響き渡る。 声の主はラグドリアン湖の水の精霊だと名乗った。 水の精霊は自らの領域を侵した”彼”へと制裁を加えると言った。 直後、水面が盛り上がり、巨大な蛸が姿を現した。それは水の精霊の使いだ。 呼吸する音が不気味な鳴き声のように聞こえ、足や胴体が動く度に粘液が嫌な音を立てる。 大ダコは八本の大蛇の様な足を振り回しながら”彼”へと襲い掛かった。 ”彼”は必死に戦ったが、怪物とは勝手が違いすぎた。 柔らかい柔軟性に長けた身体は木や岩を投げつけられても大したダメージを受けずに弾き返してしまう。 業を煮やした”彼”は肉弾戦を仕掛けたが、逆に大ダコの足に絡め捕られてしまった。 そのまま”彼”は大ダコに力任せに湖へと引きずり込まれる。 ”彼”の危機にルイズは助けようと杖を抜くが、エレオノールに止められる。 水の精霊を怒らせればどんな事になるか解らないのだ。 そんな事はルイズも解っている。だが、理屈では割り切れない事もあるのだ。 しかしエレオノールは譲らず、暴れるルイズの頬を叩いた。 そして、ルイズは気付いた。…姉もまた、自分の命の恩人の危機を見つめている事しか出来ないのに苦しんでいるのを。 結局、”彼”が大ダコによって湖底に引きずり込まれるのを見ている事しか出来なかった。 こうして、事件は一応の終わりを迎えた。 この日を境にルイズは一つの可能性を考える事となった。 それは”異種族との和解と共存”だった。 この後、ルイズはアルビオンで一人のハーフエルフの少女と出会い、 彼女と協力してエルフとの和解を実現させる事になる。 そして、彼女は和解成立のその後も毎日ラグドリアン湖へと通った。 何時の日にか”彼”が戻って来てくれる事を信じて…。 『終』
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/926.html
「パタリロ!」のジャック・バルバロッサ・バンコラン ルイズ!-1 ルイズ!-2 人物紹介 パタリロ 前世がパンドラ、愛読書が「人をおちょくる50の方法」、あとは本編の描写でどんな人物か判断出来るはず。一番分かりやすい言い方をすれば「両津の同類」 ジャック・バルバロッサ・バンコラン MI6のダブルオーエージェント。実際はバルバロッサの姓は家庭事情から名乗っていない。プレイボーイだが相手は必ず美少年。つまりそういう人。超能力とか信じてない割りに超能力者、ただし視線が合った相手を虜にするというはた迷惑過ぎる能力。 マライヒ・ユスチヌフ 元暗殺者の女性……的な美少年(♂)で、バンコラン(♂)の愛人。彼の子を出産(!)したことも。ナイフと格闘術に長けていて、天才的な頭脳の持ち主。嫉妬深い性格で、浮気を続けるバンコランは度々ズタズタにされている。 アーサー・ヒューイット CIAの腕利きエージェントにして射撃の名手。重度のロリコンでCIA長官の娘に手を出したり、任務中に少女に気を取られて任務に失敗するなどの失態でよく左遷させられている。それでもクビにならないのは彼がバンコランに匹敵するほど有能だから。 ミハイル S国(どう考えても旧ソ連)のエージェントで「氷のミハイル」の異名を持つ。異名の由来は自分の体温を零下32度まで自由に変えられる超能力から。有能だが危ない橋を渡るのは嫌い。意外にも家族思い。何故かパタリロをカリメロと呼んでしまう。 タマネギ タマネギみたいな髪形とひし形の口をしたマリネラ国の中枢を担う役職についた人達の総称。相当なエリート軍人しかなれない重要な人材……なんだが有給は10年に1日で普通の会社の日当並みの年収と、労働環境はピラミッドの最底辺に位置する。
https://w.atwiki.jp/fullgenre/pages/55.html
ルイズに届けこの想い! 才人ザオリクを唱える。の巻 ◆xmy4xBA4UI 地獄ぐらい、嫌と言うほど見てきた。 殺し合えと言われずとも、殺し合いに放り込まれたこともあった。 というより、殺し合いだと知って、自ら進んで京都に入ったのだ。 20歳になる前のことだった。世が世なら、まだ子供と言われる年齢である。 一応、田舎士族とは言え元服を済ませた身、上京ぐらい勝手にしろということだったのだろう。 毎朝どこかで誰かが狙われていた。毎晩どこかで誰かが死んでいた。 警邏のために組織されたはずの隊は、瞬く間に『人斬り集団』と化し、斎藤は修羅渦巻く京都の中、先陣を切って刀を振るった。 京都の治安を乱す尊王攘夷論者たち、体内の規律を乱す謀反者たち。全てが粛清の対象だった。 昨日、蕎麦屋で隣に座っていた男が今日は斬り合いの相手。 昨日、ともに笑い合った仲間が今日は粛清の対象。 そんな地獄の中、新撰組副長助勤、最年少の剣士として斎藤は誰よりも人を多く斬っていった。 だから彼にとって、こんな作り物の殺し合いなど微温湯のようなものだった。 「ふんっ」 念のため、支給された手甲を装備する。 煙草を吹かそうと考えて、ポケットから取り出してみるも、火がなかった。 ちっと、舌打ちし、吸えもしない煙草ならいらんな、と放り投げた。 「ま、人斬りは俺の仕事だからな。言われんでも、殺してやるさ……ただし」 放り投げた煙草を踏みつけ、すり潰す。 「殺すのは小僧、ぶいつぅとか言ったな。お前だ」 静かに決意する悪・即・斬。 武器が手甲では、斬り合いが出来んなと、狼は自嘲ぎみに笑うのだった。 「で、小娘? お前はどうするつもりだ」 斎藤は振り向きもせず、背後にいる女の気配を感じ取る。 そこには確かに一人の娘。斎藤から見れば、親子ほども離れた女の子がいた。 「ん、私はね、ぶいつう君を殺さないよ」 「ほう?」 「だってさ、リセットしてもらえないじゃん」 「……」 「リセットしてもらえなかったら、ゆーちゃん生き返らないじゃん」 リセット? 「ゆーちゃんはね、とーってもちっちゃいんだよ。でも、とっても可愛いんだよ!! 萌え要素満載なんだよ!!!」 訳が分からん。 「だからオジちゃん……」 だがしかし、少女の意味不明さには懐かしさも覚える。 彼女の匂いは、かつて幕末で味わったことがある。 「オジちゃんはモンスターなんだよ、んで、私は勇者!」 「阿呆が」 「モンスターはね、勇者に殺されるんだ!!」 叫び声とともに、突進する少女。それは風。 何事かと思う頃には、蒼い風は斎藤の眼前に迫りくる。反射的に西洋刀を受け止め、逆の手で殴り飛ばした。 手甲を嵌めてなければ、腕を斬られていたかも知れない。斎藤をして、そう思わしめるほどのスピード。 殴られた少女は、思いのほか軽く、一気に電柱まで弾き飛ばされたが、ヒラリと身を翻して電柱に『着地』。そのまま地面に舞い降りた。 (コイツ……) 童子のようにしか見えない顔だが、その身体能力は予想以上。むろん、童女にしては、だが。 「どうして……」 「?」 「どうして斬られないんだ!! アンタ雑魚キャラじゃないの!!!」 「ふぅ……雑魚とは言ってくれるな」 「わ、分かった。中ボスだ、ゆーちゃんを殺した奴の仲間だ!!!」 意味が分からない。正悪すらも決めかねるほどの支離滅裂ぶり。 事情を問いただしてからでないと、警官が子供を攻撃することは出来ないと考えているが、その説明など望むべくもなさそうだ。 「今度は本気出していくからね」 「ふざけろ」 青い髪の少女が駆ける。一瞬で眼前に迫り来る勢い、はやての如し。 速い。抜刀斎よりも遥かに小さい体ながら、そのスピードは幼年の頃の彼を思わせる実力。 もっとも、斎藤は幼年の抜刀斎など露ほども知らないので、単なる想像だが。 怒涛の攻撃とはまさにこのこと。 武器の差があるとはいえ、少女は斎藤相手に少しも遅れをとっていない。 両の手から放たれる斎藤の攻撃を、ある時は防ぎある時はかわす。そして、それ以上の攻撃を繰り出してくる。 防御のイロハを知らぬ鳥頭なら、とうの昔に切り刻まれている。 素早いその動きはまさに戦場の基本。 速く力強いが、技術は欠片も備わっていない。 戦場では上手くて遅い剣術よりも、下手でも拙くても、速さだけが求められる。 町道場で身に着けた段位や技術など微塵も役立たない。 少女の両腕は肘が伸びきり、柄尻の締めは甘い。履く袴は短く、その足運びを隠さない。 これでは達人の斎藤に動きを読んでくださいと言ってる様なものだ。 けれども速い。純粋にそれだけ。だからこそ誰よりも剣術から離れ、だからこそ誰よりも戦場に近い女。 子供の振るうチャンバラが、大人を倒すことがあるとすれば、まさにこの動きを突き詰めていった時だろう。 (だが、相手が悪かったな) 跳ね回る少女の髪を掴み取り、一瞬のうちに持ち上げる。 髪を毟られそうな痛みに動きを止めた少女を、斎藤は地面にたたきつける。 そして、地面からバウンドした瞬間を狙おうとしたとき……彼は信じられないものを見た。 地面までの距離、わずか1メートルほど。 そんなほんの少しの隙間で少女は、回転し華麗に着地を決めたのである。 これには流石の斎藤も呆気にとられるばかり。そして、その隙を彼女は見逃さなかった。 持ち前の素早さと、体の小ささを武器に地面すれすれの足払いを仕掛ける。 瞬間、バランスを崩しながらも斎藤は宙に逃げる。しかし、それだけでは少女から逃げられない。 「うぉぉおおおおおおおおお!」 西洋刀を両手だけでなく、体ごと大きく振りきった一撃。 何とか手甲で防ぐも、初回とは逆に斎藤が大きく吹き飛ばされた。 硬く冷たいアスファルトの上に転がり、斎藤は人生最大の屈辱を味わう。 相手は12、3歳程度の子供。しかも女。 これを新撰組の隊規に照らせばどうなるか? 打ち首に決まっている。童女に及ばぬ志士など、志士にあらず。 許さん。絶対に許さん。 (もう、殺す!!) ゆらり立ち上がる。 元新撰組三番隊組長・斎藤一、童女に舐められて引き下がるほど朽ちていない。 もう、相手が子供だとか女だとか、言ってられん。やられっぱなしで引き下がっては、自分の名誉に傷がつく。 斎藤が構えた時、あたりの空気が変わった。 ~・~・~・~・~ 泉こなたは、戦いの最初からおかしいと感じていた。 (むうぅう……わ、私……どうなっちゃったんだろう?) 無骨な鉄塊で、両腕を守る男は、その鉄塊をもって攻撃してくる。 メリケンサック? いや、そんな生温いものじゃない。両腕の肘から先をしっかり覆い隠すそれは、喧嘩用の武器じゃなくて戦闘用の兵器。 一撃でもまともに食らえば、唯じゃすまない。それが一目にして分かる代物だ。だが、問題はそんな事じゃなかった。 その鉄塊は怖いけど、襲い掛かってくる男は怖いけど、それ以上に怖いものがあった。 自分自身だ。 いくらこなたが、運動神経抜群で格闘技経験もあるからと言ったって、限度がある。 彼女は所詮、ただの女子高生。戦場に慣れた男にかかれば、一瞬にして屍と化す自覚があった。 けれどならない。男の攻撃は決して緩くないのに、どういうわけか攻撃を避ける事ができる、防ぐ事ができる。 (ほ、本当にどうしちゃったんだよ?) 体育祭で一番になった。アミノ式の体操が全部できる。もともと運動神経には自信がある。 しかし、それだけでは説明できない現象だ。 攻撃を防ぐ腕が、剣を振る体が、いつもより圧倒的なスピードで動く。 剣の使い方なんて全く知らないけど、ただひたすらに振り続ければいずれは勝てる気さえしてきた。 (で、でも……あたしはこんなことなんて、出来やしないよ…………) 動きとともに研ぎ澄まされていく体に反比例するように、こなたの心は恐怖に満ちていく。 勝てる、勝ててしまう。明らかに強いと思えるこの男相手に、自分が。 (本当に、ほんとに、どうしちゃったんだよ……) 全く合点がいかない。勝てることに安心が出来ない。 不安を振り切るように、こなたは全身のバネを利かせて剣を振り切った。 「うぉぉおおおおおおおおお!」 互いの均衡を崩す初めての一撃。 アスファルトに転がる男のダメージは恐らく甚大。 (お、起きないで……もう死んでよ!!!) 心の中で、それだけを願う。ゆーちゃんの事もあるが、それ以上に強くなった自分が怖くて、もう戦いたくない。 こなたのそんな願いをよそに、男は何事もなかったかのように立ち上がる。 (う、嘘……) アスファルトなんて、どうということはない。そんな感じの顔をしている。呆れたタフさだ。自然、剣を握る腕にも力が入る。 そんな時だ。あたりの空気が変わった。突然、男が構えたその瞬間に。 (な、何……) 右手をライフルの照準のように前に構え、左手の肘を大きく引き、左拳は顔の前で強く握りこむ。 下半身は右足を半身だけ前に出す剣術の構え。上半身は気持ち前に傾きかけている。先ほどまでと明らかに違う。 素人のこなたにも分かった。来る、っと。 爆音のような踏み込みとともに、男が駆る。 それでも人間かと言いたくなるような突進力に、こなたは恐怖しながら、対応できてしまうであろう自分にもっと恐怖した。 ガッァアアーン! 手甲と西洋刀がぶつかり合う金属音が、あたり一面に響き渡る。 両者の正面衝突で、吹き飛んだのは体重の軽いこなただった。 器械体操の時間で味わったような、くるり宙に舞う感覚をここでも味わう。 どうということはない。体を反転させて着地するだけ。 そう思い、クルリと体を入れ替えるとそこには、吹き飛んだ自分に付いてくる男の姿。 ありえないことに、男は飛ばされた自分に追いつき、そのままつかみ上げる。 そして、髪を掴んだままぐるぐる回して上空へと放り投げた。 髪を引きちぎられるような痛みと、回転する酔いに一瞬気を失ってしまうこなた。 目を覚ますと、目の前には男の拳。 (だ、ダメ。かわせない!!) こなたが覚悟を決めた瞬間。 男とこなたの間に、一本のバズーカーが投げ込まれた。 「いい年したおっさんが、女の子を苛めてんじゃねーよ」 あらわれたのは一人の少年。バズーカーを投げ込んだあとは走りこみ、男とこなたの間に割り込んでくる。 気を失っていた時に手放したこなたの剣を拾い上げ、男と対峙する。 「っふ、安心しろ。別に殺す気はない。殺し合いの狂気にあてられ、正気をなくした餓鬼など悪・即・斬に遠く及ばん小物だからな」 嘘つけ、どう見ても本気だったろうが!! 「殺す気がない? アンタ何様のつもりだ? 殺さなきゃ何したっていいってのかよ?」 少年も負けじと言い返す。 自分の味方。明らかなお助けキャラだ。ドラクエで喩えれば、ルイーダの店に登録されている戦士と言ったところだろうか。 「ぶいつぅとやらを捕らえるのに、糞餓鬼に暴れられては厄介なのでな。大人しくさせる必要があったまで」 「だ、だからって……お前みたいな奴がいるから、お前みたいな奴がいるから……アイツは、アイツはなああああ!!!」 速い。 先ほどまでのこなたをも上回るスピードで、少年は男に斬りかかる。 だが男は動じない。冷静に手甲で受け止め、攻撃をやり返す。 男が殴る、少年が防ぐ。少年が斬り返す、男が受け流す。 手数が増すにつれ、2人の速度は上がり、いつしか路上に一陣の風が舞い起きる。 (す、すごい……) 何とか闘っている少年も凄いが、それ以上に男が強い。 間違いなく劣性の武器を与えられ、それでもなおノーダメージ。 剣撃はすべて受け流し、必要となれば殴り返してくる。 疾風のような攻撃の中、明らかに優勢なのは男の方だった。 (わ、私……あんなのと戦ってたんだ……) 今なら分かる。男は本気を出していなかった。恐らく、自分が子供に見えるから。 そしてもう一つ分かる。自分を助けてくれた少年は負けるということが。 襲い掛かる少年の刀は、全て男の両腕に防がれている。 対して、男の拳は僅かではあっても、少年にヒットし続けている。 2人が巻き起こす風は既に一陣の疾風となり辺りに立ち込める。 こなたは、先ほどまで目で捉えられていた動きが微かにしか見えないことに気づく。 そして、彼らの動きがまた1ランクアップしたかに見えた瞬間、少年が吹き飛ばされた。 (や、やっぱり……アイツ強い……) ドラクエで言えば少なくともバラモスクラス。 対する自分はダーマ神殿についたばかりの勇者といったところか。 まともに遣り合えば、とても勝ち目などない。それは、自分だけでなく少年も同じこと。 むくりと起き上がる少年。強かに打ち付けて、あまり無事とはいえないようだ。 「な、なあアンタ。俺たちを殺す気あんのか?」 「無い。今のところは、な」 「そうかい……なら、サイナラ!!」 少年はそういうと、男に背を向け脱兎のごとく逃げ出した。 途中でヒョイとこなたを抱え、そのままお姫様抱っこの形で走り抜けてしまった。 ~・~・~・~・~ 「ふぅ……阿呆どもが」 走り去った少年たちを追いかけようとは思わなかった。 正気をなくした童女と少年が一緒になったところで、別段困ることも無い。 というより、斎藤はあくまで自身の正義『悪・即・斬』のみに生きているわけで、彼らはその粛清対象ではなかったのだ。 少女は最初から、意味不明だった。何を言っているのかサッパリ斎藤には理解できなかった。 しかし、彼女の発する匂いは幕末の混乱の最中、京で嗅いだ匂いによく似ていた。 (親しいもの……親族か何か。『とっても可愛い』という言葉から、恐らく妹か。ぶいつうに殺されたのだろう) 正気をなくし、襲い掛かってくるだけの女など悪・即・斬に遠く及ばぬ。己の正義は、ただ悪を斬る為にある。 そう思い、斉藤はポケットの中の煙草をまさぐる。しかし、煙草は地面に落ちたばかりだった。 そういえば、さっき捨てたっけか。 一服するのはぶいつうを倒した後の楽しみに残しておくか。 壬生の狼が目指すものは、許せない悪一つ。彼は即座にそれを斬ると心にきめ、闇の中へと消えて行った。 【一日目黎明/F-9 西部】 【斎藤一@るろうに剣心】 [装備]:無敵鉄甲@るろうに剣心 [所持品]:支給品一式、確認済み支給品0~2個 [状態]:健康 [思考・行動] 1.悪・即・斬を貫きぶいつうを殺す。 (な、何、何なのさ?) 颯爽と助けたかと思えば、一瞬にして逃げる。 男が追いかけてこなかったから良かったものの、格好悪いったらありゃしない。 しばらくお姫様抱っこで走った後、すぐに少年は息を切らしこなたを地面に下ろした。 (んむむむむ……) こいつは命の恩人と見るべきか。ゲームの中に突然現れたお助けキャラ。 いやしかしそれにしては、登場シーンこそロマンシング・サガ、アイシャ編のカヤキスみたいに格好よかったものの、その後が良くない。 大体、お姫様抱っこって何事じゃ。 こなたも、オタク少女とはいえ人並みに女の子である。 お姫様抱っこをする男には、それなりのステータスを要求したい。なにせ自分は希少価値あふれる貧乳であるからして…… 「な、なあ。どこも怪我は無いか?」 「ふぉ!!」 男が体をパタパタとはたきながら、こなたに確認する。その表情はやさしく、そして、どこか…… 「大きな怪我は……無い…………と思うよ」 髪の毛が、僅かに乱れている。先ほど男に掴み上げられたからだ。 しかし、それ以外には全く無事といってよかった。RPGで言えばホイミで回復する程度のダメージだろうか。 「無事か? 本当に無事なんだな?」 「い、一応……」 真剣な顔で、こなたの体を心配する少年。初対面の癖して、自分の体を心配しすぎるこの男、何者だ。 「よかったぁ……、お前無事だったのかよ」 「ふぉ!!!」 抱きつかれた。お父さんみたいに。いや、お父さん以上に力強く。 「お前に何かあったら、どうしようかと思ってた……」 (な、何……いったい何?) わ、わたしこの人となんかあったの? いや、いくら考えてもそんなロマンとは無縁の人間ですよ私は? どこかの誰かさんと勘違いしてるんじゃありませんか? こなたの頭は大パニックだ。 さっきの細目の男がバラモスなら、コイツはルイーダの店にいる仲間の戦士だろうか? 自分が勇者だから、コイツはこんなに馴れ馴れしいのだろうか。 「もう二度と俺はお前を離さない」 (な、なんですとーーー!!) 「今だから言えるよ、恥ずかしいけど聞いてくれ」 (な、なな、何を言うつもりですか?) こなたの頭は既にゾーマの存在を知ったアリアハン王のように混乱している。 密着している状態なのだから、剣を奪い取って殺せばいいのだろうが、そんな冷静さも彼女の頭には無い。 「一目お前を見たときから惹かれていた」 「ふ、うぉぅ!!」 「お前の小さな体、それでも強い意思を持ったところ、意地っ張りなところ、全部好きだ」 「は、はいいいい!!」 「一目惚れだった……本気の気持ちだよ」 「いやいやいや、お兄さん、人違い、人違いですよ」 何事ぞ、この少年は何を言っているんだ? これならまだ、バラモスに襲われた方が幾分マシというものだ。 「ハハハハッ、人違い? いや、違うね。人違いじゃない。アンタ、ルイズだよ?」 「ルイズ?」 「そうだよ、ルイズだよ。ルイズに決まってんじゃん。反応したんだからさ、俺のガンダールヴが。 アンタを守る時、いつもみたいに力をくれたんだよ。だからアンタがルイズなんだよ、アイツが死ぬわけねーじゃん!!」 突然目を血走らせて、ルイズルイズと絶叫する少年にこなたは圧倒されると同時に気づいた。 この少年は自分をルイズだと思いたがっている。確証はない、というか、あるわけがない。なんせ自分はルイズじゃないんだから。 だけど、それでもルイズだと信じたがってる。恐らく、そのルイズって子がもう…… 「俺の小っちゃなご主人様を守るために、俺のルイズを守るためにガンダールヴが発動したんだよ…… そりゃ、光らなかったぜ? でもさ、体が軽くなって剣が使えるようになるって、どう考えたって俺たちの絆だろう? な、そうだろ、ルイズ? お前は死んでないよな、生きてるよな?」 哀れなほど混乱する男は、目の前にいる少女をルイズと言って憚らない。人違いだと言っても聞かない。 「俺はお前の哀れな下僕さ、もう二度と俺を離さないでくれよ、後生だ、お願いだよ」 これは一体何だと言うのだ。強制的に流れるイベントの荒らし。 バラモスクラスの敵に襲われたかと思えば、今度はある意味もっと強敵なメダパニ野郎。 だが、こなたの頭に一つの考えが浮かんでくる。 (も、もしかしてコレって、こんなゲーム? ゆーちゃんを助けるために必要なの?) 「何があっても、お前から離れないよルイズ。俺はもうお前しか見えない……」 ここがゲームの世界なら、自分が囚われの姫を助ける勇者なら、仲間が必要じゃないか。 途中で踏み台にして捨てるヨッシーのような、商人の街に捨ててくるだけの商人のような、アイスソードを奪うためだけに殺すガラハドのような、そんな仲間が必要じゃないか。 「わかったよ、私がルイズだよ」 こなたはたった一言、そう答えた。 自分一人じゃゆーちゃんは生き返らない。バラモスに勝つためには、仲間の力がいる。 少年の狂った愛を、それ以上に狂った少女は少しためらった後に受け止めた。 【一日目黎明/F-10 東部】 【泉こなた@らき☆すた】 [装備]:なし [所持品]:支給品一式、確認済み支給品0~2個 [状態]:健康 [思考・行動] 1.優勝して、白髪の男の子にリセットボタンをもらう。 2.目の前の少年が言うルイズになりきり、ともに戦う。最後は少年も殺す。 平賀才人が初めて見た人間は、もう人間の姿をしていなかった。 それは人間と言うより肉塊、肉塊というより肉片、いや肉片すら満足に残っていない残滓。 所々に散らばっている血液らしき黒点と、初めて嗅いでもそれと分かる人肉の匂い。 そして、生前その人間が着ていたと思しき服の切れはし。 それらだけが、そこに人間がいたことを物語っていた。それが無ければ、そこに人間がいたことなど分からなかった。 「ひでーことしやがる……」 ハルケギニアでは戦争が絶え間なく起こり、人が死ぬことも珍しくない。 しかし、この死体(死体と呼んでいいのかどうかすら定かではない破片たち)は、そんなものが可愛らしく見えるほどに残酷だった。 一つ、骨が転がっている。 理科室で見た模型を記憶の中に呼び戻し、それと照合してみると背骨の一つだろうと分かる。 遺体と呼べるものの中で、安定した大きさを持つものはその一つだけ。 才人はそれをポケットの中にいれ、立ち上がる。 「満足に弔うことも出来ないけど、終わったら供養ぐらいしてやるよ」 今は戦場、優先すべきは小さなご主人さまを探して守ること。 見ず知らずの赤の他人は、可哀想だが無視するよりほかはない。 遺骨を持っていくのは、せめてこれだけでも家族に手渡せたらという思いからだった。 「んじゃ、俺はルイズを探しに行くからな」 土にでも埋めたいところだが、ここは遊園地近くの住宅街。 その土さえ満足にない状況だったので、諦めて行くしかなかった。 ふと、立ち上がった才人は懐かしい一本の鉄柱を見つける。 「これは……破壊の杖じゃねぇか」 別名を携帯式対戦車ロケットランチャー。 才人がハルケギニアに立ち入ったとき、一番最初に使った自分の世界の武器だ。 (懐かしいな、これを手に入れる任務がルイズと一緒に体験した初めての冒険だったんだ。 手に取るとさ、ガンダールヴのルーンが光って体が軽くなるんだよ。そんでもって、武器の使い方がわかってさ。 あんときゃ、何も知らなかったからびっくりしたもんだ。ま、知らないのは今も同じだけどね) 手にとってロケットランチャーを見てみる。 単装型ながら、その威力は計り知れず、持っていると心強い。 目の前に転がる仏さんに、手を合わせ、才人はランチャーを失敬することにした。 もちろん、いくら人殺しに巻き込まれたとはいえ、そう簡単に使いたい武器じゃないから、持ってるだけになると思うけど。 (さ、いくぜ……ルイズ、待ってろよ) 心に強く、ご主人さまを守ると決意する。 ガンダールヴの力が、サイトの身を軽くする……はずだった。 「あれ? っかしーな、何にも起こらねぇ」 ガンダールヴの力ってなぁな、使い手の心に反応するんだよ。 とは、伝説の剣の言い分だ。今の自分は全く心が震えてないとでもいうんだろうか。 それとも、破壊の杖が武器じゃないとでも言うのだろうか? 何となく不安になり、才人は支給された武器を一本取り出す。 これが『武器』なら、自分のガンダールヴが反応するはずだ。 「な、お、おい、どうしたんだよ? チカっとぐらい反応しろよ!!」 しかし無反応。 「何が起こったってんだよ。おかしいだろ、いつもと違うじゃん」 ハルケギニアに召喚されて以来、ガンダールヴが才人を裏切ったことなど一度もなかった。 それに加え、隣に転がる死体と、殺し合いという環境が、才人の頭を混乱させる。 ま、まさか、どうして? そう言えば一度だけ、ガンダールヴの力を失ったこともあったが、あれは…… いやいや、違う。あのときとは明らかに事情が違うだろ。 「だ、大丈夫だよな……ルイズ……」 家を買うつもりだった。 聖戦が終われば、ルイズと二人ですむための城を買うつもりだった。 ───なによそれ、あんた、こっちの世界に根を生やすつもりなの? ───いや、まあ、なんつうの? 変える方法はあるんだから、ちゃんと挨拶しに帰ったりはするよ。 でももう、こっちの世界もひとつの故郷。そんな気持ちがするんだよ。 本心だった。実家にいる母のことは心配だが、それ以上に小っちゃなルイズが愛おしくてたまらなかった。 家を買おう。二人で暮らそう。 家具は綺麗なのがいい。とびきりいい店がトリスタニアにあるんだ。 庭には池がほしいな、そこには上品な魚が泳いでて毎日餌をあげるんだ。 馬小屋には何頭か馬がいて、どれも質のいい駿馬ばかり。 でもさ、どれだけ手間のかかりそうな家でも、メイドも執事も要らない。だって、二人きりで住む家なんだもん。 結婚しようと言ったわけじゃない。結婚できるとも思ってない。 だって、自分とルイズは所詮ご主人と使い魔なのだから。だけどさ、2人の間には間違いなく愛があったさ。いやさ、愛があるさ。 出会い系サイトに登録して、全くモテないまま人生を送り異世界にまで飛ばされた自分だけど、 それでも守りたいと思う女の子がいて、その子がとっても可愛くて。愛おしくて、抱き締めたくて…… 「大丈夫だよな? ルイズ……」 訳もなく不安に駆られる。理由はない、だから大丈夫なはずだ。昔から『便りが無いのは無事の知らせ』って言うじゃないか。 妙に不安がる必要はない、理屈がないなら信じろよ。アイツだって伝説の担い手なんだぜ…… そう思った才人の目に、月闇に目が慣れてきた才人の目に、地面に散らばった遺留品の一つが飛び込んでくる。 それは桃色がかったブロンドの長髪。ご主人さまのトレードマーク。 「嘘だ……なんだよこれ、ありえねーって……」 そう考えると合点が行く。ガンダールヴの力を失ったことも…… いや、違う。ガンダールヴの力をなくしたのは初めてじゃないだろ。前だって一度あったはずじゃないか。 同じ髪の色の女の子ぐらい山ほどいるさ、これはその子のだよ。別人だって、絶対別人だって。 震えるような手で、髪をつまみ上げる。柔らかい手触りと、懐かしい香りが漂ってくる。 「嘘だろ? 嘘だろ? 嘘だろ? 嘘だって言ってくれよ!」 あたりに散らばる破片たちをかき集め、才人は無心に考える。これは違う。これはルイズじゃない。絶対に違う。 「あ、あ、あ……あはははっはあああ」 しかし、そう思った才人の目に飛び込んできたのは無慈悲な一枚。 紺色をした、一枚のマント。ルイズが学院にいる時、いつも付けていたマント。 闇夜に紛れて、アスファルトと同じ色のマントには先ほどまで気づかなかった。 そして、その下に…………ルイズの鳶色の瞳が一個………眼球一個分だけ転がっていた。 「うぁああああああああああああああああー、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!!!」 ありえない。 どうして、こんなことが起こるんだよ。 アイツが何したってんだ? 可愛い俺のご主人さまが何をしたってんだよ。 ただの女の子だぜ。そりゃ、伝説の虚無だけどさ、それでも女の子だぜ。 小さくてさ、それでも大きな貴族の誇りを持ってさ。誰よりも強くあろうとして、それでもよわっちくて……女の子だったんだぜ…… 手に取った瞳は冷たく、予想以上に乾いている。 「なぁ、ルイズ約束したよな? 二人で暮らそうって」 「戦いが終わったらさ、俺はお前と一緒に幸せになろうって思ってたんだぜ?」 「っていうか、誓ったじゃねーかよ。覚えてるか? アルビオンに行ったときよ、俺達結婚式挙げたよな? もちろん、作りものの偽物の結婚式だけどさ、俺の気持ちは本物だったんだぜ? 分かってただろう」 乾いた眼球は、何の返事も返さない。 「誓いの言葉は結局言えなかったけどさ、それでも……それでも俺は……」 握りしめた眼球は、全く動かない。 「嘘だろ、お前死んでねえよな? 生きてるよな生きてるに決まってるよ、絶対そうだって。っていうか、死ぬわけねーだろ?」 サイトはもう何も考えられなくなっていた。 ただルイズが愛おしい。ルイズだけが欲しい。そう思ったことさえあったというのに、突然すぎる別れ。 自分はこんな結末を望んでいた訳じゃない。いくら戦場に身を置くことが多いオンディーヌ副隊長とはいえ、ルイズの死なんか望んじゃいない。 「ありえねー、お前は生きてるよ。生きてるって、絶対に……」 動かなくなったガンダールヴは絶対の証拠。けれど、信じない。 「いや、待てよ? ありえねーって、何がありえないんだよ?」 唐突に、何かがひらめきそうだ。 才人の、決して優秀とはいえない頭脳に、一筋の光明が差し始める。 そうだ。 ありえないなんて言うけど、そもそも自分がハルケギニアに召喚されたこと自体有り得ない事態じゃないか。 それが有り得たんだから、何だってあり得るだろう。大体、一度ガンダールヴの力を失っても結局元通りになったじゃねーか。 「そうだよ、何だってあり得るだろ? 今さら、あり得ないなんてねーよ。元々剣と魔法の世界じゃねーか」 そうだとも、ルイズは自分と違いファンタジー世界の住人だ。 考えろ。ファンタジー世界の住人なら、絶対にあるはずだ、何かの抜け道が。 才人の頭に、剣と魔法の世界代表ドラゴンクエストのイメージが湧いてくる。 『おぉ、ルイズよ死んでしまうとは情けない』そんな言葉がリアルな音声付で、頭の中に再生される。 「そうだよ、死んだら生き返らせりゃ良いじゃん、ザオリクぐらいどっかにあるよ……なきゃ教会に連れてけばいいんだよ」 才人の思考は、あらゆる意味で正常さを失っていた。 「うぉぉおおおおおおおおお!」 そんな時だった。女の子の叫び声とともに、激しい金属音が辺りに木霊する。 才人は反射的に、音の方へと駆け走った。 たどりつくとそこでは、目付きの悪い男が一人、少女を襲っている。 青い髪、日本では見慣れたセーラー服。どちらもルイズの面影を感じさせない。 けれど、小さな体と、年頃の娘には似つかわしくないペッタンコ胸が、何となくルイズを連想させた。 (ルイズ、ルイズ、俺のルイズ。ああぁ、可愛いなぁ、チクショウ……) 気がつけばサイトは、2人の戦いに割って入っていた。 「いい年したおっさんが、女の子を苛めてんじゃねーよ」 だってソレ、ルイズかも知れないんだぜ? そう思って、才人は少女の持つ剣を手に取り、彼女を守る盾となる事を決意した。 力は失っても役割は失ってない。自分は虚無の使い魔、ガンダールヴだ。 戦いが始まって、才人は違和感に気づく。 男が異常なまでに強いのだ。そして、その強い男に自分が渡り合えている。 互角とまではいかない、相手は劣る武器をもって自分を押している。実力でいえば敵が上であることは火を見るより明らかだった。 しかし。 剣をふるう体が軽い。横薙ぎに払う腕が速い。 疾走する自分の体は、普段のそれではなく、ガンダールヴの力を得た時のそれ。 男の拳を剣で受け止める、思わず後ろに飛ばされそうになるが何とか踏ん張れる。剣を握ると、力が湧いてくる。 なぜ湧いてくる? ガンダールヴの力は失ったんじゃないのか? (ハハハハハハッ、そうだよ。ルイズがいなきゃこんなこと出来る訳ねーじゃん) 生きてる生きてる、ルイズは生きてる。 今も不安そうな顔で自分を見つめている。あの子がルイズだ。見た目は違うけど、絶対そうだよ。 アイツが死ぬわけねーじゃん。 一緒に暮らすって約束したんだ。家を買おうって約束したんだ。 同棲だぜ? 愛がなきゃ出来ないよ? それなのに、自分を残して死ぬわけないだろ? (アハッハハハッ、ルイズがルイズがルイズがルイズがルイズがルイズがルイズがルイズが、生きてたよ。 ちくしょう、やっぱ可愛いな。顔が変わってもルイズは可愛いな、俺のルイズ、ちっちゃなルイズ。俺の愛しいご主人さま。 あぁ、今すぐ抱きしめたい。こんな闘いどうだっていいじゃねーか。今はアイツが大事なんだよ) 男の攻撃を受け、アスファルトに強く叩きつけられた才人は痛みも忘れて、ただルイズのことばかり考えている。 「な、なあアンタ。俺たちを殺す気あんのか?」 「無い。今のところは、な」 「そうかい……なら、サイナラ!!」 戦いなんて、今はどうだっていい。 ただただ、ルイズを抱きしめたい。そう思って、才人は新しい『ルイズ』を抱えながら、男の元を走り去る。 男は不思議なことに追いかけてはこなかった。 「な、なあ。どこも怪我は無いか?」 才人には目の前の少女がルイズに見えなくても、ルイズに見える。 だって、アイツが死ぬわけないだろ? 「無事か? 本当に無事なんだな?」 「い、一応……」 だって、ガンダールヴの力が働いたんだぜ。この娘がルイズに決まってんじゃん。 「よかったぁ……、お前無事だったのかよ」 「ふぉ!!!」 抱きつく。香りは少しルイズじゃない。 「お前に何かあったら、どうしようかと思ってた……」 死んだかと思った。あの死体がルイズかと思った。 でも違った。姿かたちは違うけど、きっとここにいるのがルイズだ。 もう二度と離さない。 見た目が違うって? そんなの些細な問題だろ……主人と使い魔の絆は、見た目だけじゃ断ち切れないんだよ。 「もう二度と俺はお前を離さない」 この想い。本気だ。 姿かたちが変わっても、ルイズには変わりないだろ? だってそうだろ? アイツが死んだなんて悲しすぎるじゃねーか。 耐えられねーよ俺。嘘だって言ってくれよ、ルイズは生きてるんだよ、なぁ、お前、ルイズだよな? ルイズだって言えよ。 「一目お前を見たときから惹かれていた」 嘘じゃない。二度目の告白だ。いや、最初から惹かれてたって言うのは無理があるかもしれない。 犬だのなんだの言うルイズに辟易したことがあるのも事実だ。でも好きだ、お前が好きなんだよ、マジでさ。 「いやいやいや、お兄さん、人違い、人違いですよ」 「ハハハハッ、人違い? いや、違うね。人違いじゃない。アンタ、ルイズだよ?」 そうだよ。 違うなんて悲しすぎるじゃねーか。アンタがルイズじゃなかったら、誰がルイズになるんだよ。 っていうかもう、ルイズでいいよ。死んだなんて信じられないんだよ俺は。 「そうだよ、ルイズだよ。ルイズに決まってんじゃん。反応したんだからさ、俺のガンダールヴが。 アンタを守る時、いつもみたいに力をくれたんだよ。だからアンタがルイズなんだよ、アイツが死ぬわけねーじゃん!!」 死んでねぇ、死んでねぇ、死んでねぇ、死んでねぇ、死んでねぇ。 絶対生きてる。目の前にいるアンタがルイズだ。そうだって言え、言わないと殺す。 「俺はお前の哀れな下僕さ、もう二度と俺を離さないでくれよ、後生だ、お願いだよ。 何があっても、お前から離れないよルイズ。俺はもうお前しか見えない……」 新しい『ルイズ』を抱きしめて才人は思う。 才人だって、この女がルイズとは似ても似つかない別人だって事ぐらい、心のどこかで気づいていた。 でも、それが本当だなんて思いたくない。信じたくない。だからいい、これがルイズだっていい。あいつは今ここに生きてるんだって思いたい。 「わかったよ、私がルイズだよ」 そうして、才人の思いは受け入れられた。 少女は才人の新しいルイズになったんだ。新しいご主人さま、ガンダールヴを使役できる新しい虚無の担い手…… 【一日目黎明/F-10 東部】 【平賀才人@ゼロの使い魔】 [装備]:女神の剣@ヴィオラートのアトリエ [所持品]:支給品一式、確認済み支給品1~3個(このうち少なくとも一個は武器です)、ルイズの眼球、背骨(一個ずつ) [状態]:健康 [思考・行動] 1.新しい『ルイズ』と一緒に行動する。 [備考] 1.女神の剣@ヴィオラートのアトリエは元々こなたの支給品でした。 こうして、愛する人を失った二人の少年少女が巡り合う。 妹同然にかわいがっていた子が、目の前で死んだ。首だけ弾け飛んで。その瞬間少女の理性も吹き飛んだ。 殺し合いをゲームと思い、遊園地を飛び出した少女はもういつもの彼女ではなかった。 恋人のように愛し合った女の子が死んでいた。それは死体とすら言えないほどの残骸。 乾いた眼球を握りしめ、語り合った日々を思い出す。そして、想い出を一枚一枚めくるほど、少年の心は壊れていった。 壊れた少年の心を支えたのは、ルイズという一人の少女。そして、ガンダールヴの絆。 けれど、それは偽りの少女と絆だった。ガンダールヴは偽物で、もう彼になんの力も与えない。 彼に力を与えたのは全く別のものだったのだ。しかし、少年はそれに気づかず、少女がくれた使い魔の力だと勘違いした。 少年に力を与えた本当の物。その正体。それは、少年が使った武器である。 人呼んで女神の剣。 人跡及ばぬ遺跡の最奥。神に最も近い場所と呼ばれた地に、その剣は眠っていた。屈強なデーモンたちに守られて。 本来、人目につくはずも無い魔物たちが守る神殿に祭られた神具である。その切れ味、まさに闘神の如し。 女人でも握れるほど軽く、使い勝手のいいその刀は、神殿に辿り着いた錬金術師たちの用いる最高峰の武器のひとつだった。 使い手に、女神の祝福を与え、ありえぬほどの身体力強化という恵みを施す。それが、この武器の特性だ。 そう。そして、それ以外、何の問題も持っていないのも、この武器の特徴のはずだった。 人跡未踏の地に捧げられた宝刀とはいえ、ただの剣。呪いなどかけられるはずもない、聖剣の一種なのだ。 しかし、それを使った状況が悪かった。 少年は剣にかけられた祝福をガンダールヴの力と勘違いしてしまったのだ。 誰にも等しく力を与えてくれる剣であるにもかかわらず…… 女神の剣は黙して語らない。 冠された女神の名は、幸運の女神などではない。 ただただ、力を与えるためだけの戦女神。 力を与えよう、欲しいなら。だがしかし、我はそれ以上のことをしない。 我は戦女神、ただひたすらに力だけを望め。 [備考] 2.女神の剣@ヴィオラートの従属効果は『攻撃回数増加+3、攻撃力+3、防御力+3、素早さ+3』です。 時系列順で読む Back くノ一は見た! Next Be Cool! 投下順で読む Back ねぇ、教えて、どうしたらいいの? Next 乱(みだれ)後… かえして!ニチジョウセイカツ 泉こなた 044 幸せの星(前編) 平賀才人 斎藤一 066 お前の姿はあいつに似ている
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/619.html
autolink ZM/W03-062 カード名:平賀 才人 カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:1000 ソウル:1 特徴:《使い魔》? 【自】絆/「水着のルイズ」[①](このカードがプレイされて舞台に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは自分の控え室の「水着のルイズ」を1枚選び、手札に戻す) ルイズ「あんた…誰?」 レアリティ:C illust.ヤマグチノボル・メディアファクトリー/ゼロの使い魔製作委員会 通常の絆持ち。 《使い魔》を持つため、絆先の水着のルイズのアンコールコストにすることも可能。 セーラー服のシエスタのページにもあるように、「サイト」ではないためネーム関連の恩恵は受けられない。 ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 水着のルイズ 3/2 9000/2/1 赤 絆
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3383.html
ルイズとその使い魔として召喚された猫耳少女・南波の2人は、学院の温室でキノコ狩りをしていた。 「あったー! ほら見て見て!」 そう言って南波が差し出したキノコは、鼻にツンとくる異臭が漂い傘が蕩けかけていた。 「……真面目にやる気あるの?」 「えー!?」 取ってきたキノコを投げ捨てたルイズに不満そうな南波。 「それにしてもタバサちゃんも来ればよかったのにね」 「用事があるって言ってたから仕方ないわよ」 そう肩をすくめたルイズだったが、最初からタバサを誘ってはいなかったのだ。 「きっと残念がってるから今日の話はしないようにしましょ!」 「ルイズちゃんやっさしー!」 「そっ……、遭難したー! まだ2レスしか経ってないのに遭難しちゃったよ!」 「うるさいわね。落ち着きなさいよ」 「私のせい? 『そうなん』です。なんちゃっ――」 「落ち着けー!」 この状況で笑えないギャグをかました南波に、ルイズは容赦無く魔法で吹っ飛ばした。 遡る事30分前。 南波はルイズの手を取って今にも崩落しそうな崖の先端部に生えているキノコを取りに行き……、 お約束通り崖が崩落、2人は断崖絶壁から落下した。 さらにその下を流れる激流の川に流されて、熱帯性の植物が繁茂するこの場所に漂着し現在に至る。 「ここどこ? ジャングル?」 「私が聞きたいわよ!」 ――グキュルルル~…… 朝食から数時間、そろそろ昼時という事もあって南波の腹の虫が盛大に泣き声を上げた。 「お腹空いたなあ……。そういえば、さっき崖で取ったキノコ……」 南波が懐からキノコを取り出した瞬間、ルイズはそれを神速の速さでひったくり、 「! ……あんたほんっとーにキノコを見る目が無いわね! この毒々しい色、臭い! どう見ても毒キノコよ! こんなキノコのために私達遭難したの!?」 しかし南波はそんなルイズの言葉に耳を貸さず、 「……ルイズちゃん。そう言ってこのキノコ独り占めする気なんでしょ!」 「!?」 と一口で丸呑みしてしまい、案の定、 「お……、美味しい……」 ばったり倒れ伏してしまった。 「嘘おっしゃい!」 キノコの毒を受け、南波は脂汗を垂らしつつうんうん呻いている。 「大変!! 凄く苦しそう! 毒キノコを食べた時の治療法は……」 ルイズは慌ててなぜか持っていたサバイバルに関する書物から治療法を得ようとするが、その内容は彼女の想像を超えていた。 「……じ、人工呼吸!?」 思わず赤面するルイズだったが決意を固め……、 「そうね、今は一刻を争うんだから仕方ないわ……こ、心の準備が……」 ……たものの、やはり照れからか顔を背けてしまった。 「よし、今度こそ……」 「あ~、死ぬかと思った!」 今度こそ人工呼吸をと思った瞬間、何事も無かったかのように南波がむっくり起き上がった。 「治るの早いわよ!」 「???」 「ルイズちゃん、ごめんね。まさか本当に毒キノコだったなんて……」 「まあ、体が何ともないならいいんだけどね」 体調は回復したものの空腹までは回復しなかったようで、南波は何か食料が無いか周囲を見回していた。 「あ~、お腹空いたなあ……バナナだ!」 とある木にバナナがなっているのを発見はしたものの、実には到底手が届かない。 「でも高いなあ。あ、棒と箱が落ちてる!」 南波は棒を振り回してみたり箱の上でジャンプしてみたりしたが、バナナには手が届かなかった。 その様子を見かねてルイズが箱の上に乗り棒でバナナを叩き落すと、南波は心底感心した表情で手を叩き、 「ルイズちゃん、凄ーい!」 「私にこんな恥ずかしい格好させて……。わざとやってんじゃないでしょうね!?」 ルイズは怒りと羞恥心で赤面しつつ震えていた。 「お腹は膨れたけど、私達帰れるのかなあ……」 俯いて深刻な表情の南波だったが、バナナの皮の山を背にしているためいまいち緊張感に欠ける。 「だ、大丈夫よ! 帰れるに決まってるわ! ……それにいざとなったら私がいるんだから」 自分の言葉に赤面したルイズだったが、 ――アーアアー 「ターザンだ!」 その時既に南波の興味は遠くから聞こえてきた謎の声に向いていた。 「は?」 「凄い! ターザンって本当にいたんだ! こっち来た!」 そして垂れ下がった蔓にぶら下がって2人の前に現れたのは――、 「タバサちゃんにそっくり!」 どう見てもタバサです。本当にありがとうございました。 じー…… さっ じー…… さっ 顔を覗き込んでくるタバサの視線からルイズは必死に顔を背ける。 「なぜ目を逸らすの」 「タバサ、誘わなかったから怒ってるんでしょう?」 「私はターザンだからわからない。でも近々素敵な事が起こる」 肩を竦め無関係なふりをしてさらりと不吉な発言をするタバサ。 「ひぃいいい!!」 「ルイズちゃん、ターザンと知り合いなんて凄い!」 「だから、あんたはわざとやってんの!?」 そんな2人を南波はやはり心底感心した表情で目を輝かせて見つめ、ルイズはまたも怒りと羞恥心で赤面しつつ震えていた。 「こっち」 そう言ってタバサは藪をかき分け2人を先導し始める。 「帰り道も知ってるなんて流石ターザン!」 「……何にせよ助かってよかった……」 「でもルイズちゃんと2人で遭難するの、結構楽しかったよ。また一緒に遭難しようね!」 「まったく、縁起でもない!」 南波を魔法で吹き飛ばしたものの、少し嬉しいルイズだった。 (いつまで歩くのかしら) ルイズがそう思い始めた時、突然ラバサが立ち止まった。 「? タバサ?」 「迷った」 『ええええええ~!??』 「てへ」とでも付けそうな口調でのタバサの発言に、南波・ルイズの悲鳴がジャングル中に響き渡った。 その時、 「ミス・ヴァリエール~!」 そう3人に向かって大声を張り上げる人影――コルベール――がゆっくり降下してきた。 「ミス・ヴァリエール、心配させないでください」 「ミスタ・コルベール……」 「しかし、まさか隣接する人工ジャングル温室に迷い込むとは……」 「何でそんな温室があるのよ!」 翌日……、 「それでね、ターザンがね!」 救出後に書いてもらったサイン片手に心底楽しそうに昨日の話をタバサにしている南波の様子を、ルイズはジト汗を垂らして見ていた。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1010.html
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの人生とは、 這い寄る闇からの逃走劇も同然だった。 魔法が使えないこと、身体が幼いこと、他人に認められないこと――。 それら闇から逃れるため、ありとあらゆる努力を重ね、研磨し、足掻いた。 ――それでも、何も変わらなかった。 いくら呪文を知っていても、魔法は使えない。 いくら健康になっても、身体は育たない。 いくら貴族として立ち振る舞っても、誰も認めない。 逃げても逃げても追ってくる闇――だが、幸か不幸か、今までそれに捕らわれる事は無かった。 魔法が使えなくても、学園が自分を放り出すことは無かったし、 身体が幼くても、どうしても気を引きたい相手などはいないし、 他人が認めなくても、自分はれっきとした貴族だって分かっている。 けれど、もうここまでだ。 この学園では、2年生への進級するための儀式として、『使い魔の召喚』がある。 今までに一度たりとも魔法を成功させたことの無い自分に、できるはずもない。 案の定、呪文を唱える度に、地面を爆発させた。 他の生徒たちの嘲笑が聞こえる。文句が聞こえる。罵倒が聞こえる。 ――本当は、分かっていたのだ。 魔法が使えなくては、進級できない。 身体が幼くては、婚約者は去るかもしれない。 他人が認めなくては、貴族にはなれない。 それでも、足掻きたかった。 ちっぽけな希望を抱き、この闇を打ち破り、この広い世界に歩みだしたかった。 闇はすぐ後ろにいる。 未来までも黒で覆い、光を奪おうとしている。 お前は、何者にもなれないと、絶望を突きつけようと―― ――そうして、その使い魔は現れた。 ルイズは、その使い魔を召喚したときのことを、一生忘れないだろう。 その姿を目にした瞬間、自らを覆おうとしていた闇は、一瞬で消し飛んだ。 灰色の世界に光が射し込み、自分を、世界を、輝かせる。 ――もう、何も怖くない! 魔法が使えなくても、この使い魔がいれば何でも出来る! 身体が幼くても、この使い魔がいれば何も言わせない! 他人に認められなくても、この使い魔がいれば何も要らない! ショボイ魔法などどうでもよくなり、 チンケなコンプレックスは消え去り、 周囲の視線は、畏怖と羨望の視線となった! 吊り上っていた眼は、絶対なる意志を持ち、 追い立てられるような歩きは、王者の余裕を持ち、 張り詰めていた雰囲気は、覇王のようなカリスマあるものへと変わった! 使い魔が自らと在る限り、 自分に出来ないことなど無いのだと、 自分は何処へでも行けると、ルイズは確信した! ――そう、ルイズは、果てしなく続く戦いの道(ロード)へ歩み始めたのだ!! 喧嘩売って来た色ボケメイジを、ぶっ飛ばしてやった。 悪名高い盗賊を、その僕の巨大なゴーレムごと吹き飛ばしてやった。 国と自分を裏切った婚約者を、そのお仲間諸共消し飛ばしてやった! ルイズは止まらない。 何者にもルイズは止められない! ――そして今! 眼下には、卑劣にも条約を破り、攻め込んできたアルビオン軍が展開している。 「こないだ、アルビオンで躾けてやったというのに……まだ足りないらしいわね」 虫けらを見るような目で――事実、そう思っているのだろう――白の国のゴミクズどもを眺める。 「ならば教えてやるわ……この、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールのいる、 そして、我が最強のしもべのいる、このトリステイン王国に攻め込んできた、その愚かさを――!!」 ルイズは緩やかに右手を上げる。 それは、ルイズがしもべに敵の殲滅を指示する、号令なのだ――! ルイズは高らかに謳い上げる――破壊を告げる言葉を! 「滅 び の ッ ! バ ァ ァ ァ ス ト ス ト リ ィ ィ ィ ィ ィ ム ッ ッ ! !」 その瞬間――。 青き眼の、白き最強龍は、口内から光を放つ――! それは、あらゆるものを滅ぼす、破壊の光――!! 「強 靭 ッ ! 無 敵 ッ ! 最 強 ォ ―― !!」 光は全てを飲み込んでいく! 戦艦を蹴散らし、ブチ壊し、滅茶苦茶にしていく! 竜騎兵など蝿も同然! 地べたを這いずるメイジや兵士どもなど、塵芥に等しい! 「粉 砕 ッ ! 玉 砕 ッ ! 大 ・ 喝 ・ 采 ―― !!」 何が来ようと、何も恐れることは無い。 我がしもべ、『青眼の白龍』の前には、全てが平伏すのだ――! 「ワハハハハハハハハハハ―――――!!」 その後、ルイズは『滅び』の二つ名と、 ありとあらゆる名誉を手にいれ、トリステイン最強の力として、君臨した。 ルイズは最期まで魔法を使えなかった。 ルイズは最期まで体系はお子様だった。 ルイズは最期までメイジとは認められなかった。 だが―― ルイズは『力』を使えた。 ルイズはあらゆる名家の男たちから誘いがあった。 ルイズは至上最強の竜騎兵として認められた。 そして、友も得た。 ルイズは未来を切り裂き、幸せを手に入れた。 そして、これからも、ルイズは止まらない! ルイズの踏み出した道――それが未来となるのだから――! 「ずっと私のターン!!」 『滅びのルイズ』…… 完 -「遊戯王」より青眼の白龍を召喚